中国古典
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中国古典〜1日1言〜:3/8

谷本一真
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赤心を推して人の腹中に置く

-推赤心置人腹中-

「後漢書」

赤心を推して人の腹中に置く

人を疑わないことのたとえ。また、まごころを持ってすべての人に接することのたとえ。

赤心:うそいつわりのない心。
腹中:心の中。

後漢王朝を興した劉秀(光武帝)という人物の言葉。勢力も小さく格別目立つような存在ではなかったが、いつのまにか大軍団を傘下におさめ、大勢のライバルを退けて、ついに皇帝の位にまで駆け上がっていった。

ある時の戦いで敵を破ったさい、降伏してきた将兵にしかるべき待遇を保証して、自軍に編入した。しかし、相手は不安をかくしきれない。それを知った劉秀は、みずから軽騎に乗って部隊を巡視する。相手の将兵はその姿を目にして「赤心を推して人の腹中に置く。いずくんぞ死に投ぜざるを得んや」と語り合ったという。

下手な駆け引きを弄さず、誠意を態度で示す。それが、昨日まで戦ってきた人々を、「あの人のためならば、命を投げ出してもかまわない」という気持ちにさせたのである。

 

誠意を態度で示す

劉秀のように、態度や行動で意思を示すことはどの時代においても大切なことだと思います。口ではなく態度や行動で示すことの重要性を学生時代から理解しておくと、大人になっても誠意ある態度がとれるようになります。

中学生のサッカー現場において、不貞腐れる選手がいます。そういった選手はどこかでこの言葉の重要性を理解してほしいと勝手に思っています。

指摘されることに慣れていない選手や、目的意識が軽薄な選手は、誠意ある態度をとることができないように思います。それは、教育に問題があるのではないでしょうか。スポーツ指導者にとって、現代は人格形成の指導も重要な因子になっていると思います。

そのためには、まず指導者が率先して学生や周りの人と真摯に向き合うことが誠意ある態度を示す一助になると思います。

雰囲気を変えるために

スポーツや職場において、雰囲気を変えるのはその人の態度です。ネガティブな態度をとる背景には自分の心を表に出してぶつかることを避ける傾向があります。

自分の気持ちに正直になれず、うそいつわりの態度をとるケースがあります。本当はこのようにしたいけど…

しかし、問題を環境のせいにするのではなく、今与えられた環境で精一杯の努力をする習慣をつける必要があると思います。そうすることによって、その環境がより良い環境へと進化していくことだってあります。

そのためには、一人一人の態度を同じベクトルにする必要があります。そのための舵取りを指導者が担わないといけないと思います。

心を大切にする

目に見えるものでもなく、実在するかどうかも分からない「心」ですが、よく言葉にされます。抽象的な言葉かもしれませんが、本質をつく言葉でもあります。

真心をもって相手と対応するおとを常におこなっていれば、身の回りにおきる出来事もきっと好転していくと思っています。

「命をかける」という言葉は、現代と違って昔ではとても重みのある言葉だと思います。そういった心をみせて相手と対峙することでコミュニケーションが深まっていくことが考えられます。敵だった相手とも、このようなコミュニケーション手段で仲間となっていったのでしょう。

小学生の指導をしている立場として、心を大切にすることの重要性を技術指導と並行して伝えていきたいと改めて思いました。

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ABOUT ME
谷本一真
谷本一真
理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、PRP-Japan
PRIコンセプトを基に、障害の予防とパフォーマンスの向上を目的としたコンディショニングをおこなっています。また、サッカー指導者としても活動しており、特に小学生に対する指導を行っています。 運動や習慣改善によって健康を支援することに情熱を注いでおり、各個人のニーズに合わせたプログラムを設計しています。興味がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。詳細は直接やりとりの中でお伝えいたします。
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