中国古典〜1日1言〜:5/31

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久しく尊名を受くるは不祥なり
-久受尊名不祥-
「史記」
久しく尊名を受くるは不祥なり
「栄誉が長く続くのは禍のもとだ」
越王勾践に仕えた范蠡という人物がいた。日本では「天、勾践を空しうするなかれ、時に范蠡なきにしもあらず」という児島高徳の一句によって、無二の忠臣として知られている。
たしかにかれは、勾践を守りたて、呉王夫差に対する復讐を遂げさせた。しかし、目的を達したそのとたん、大将軍のポストを捨てて勾践のもとを去ったのである。
勾践のもとを去って斉の国に移住したかれは、こんどは実業家として成功し、その手腕を買われて宰相就任を懇請される。そのとき、かれの口から出たのがこのことばである。
人は誰でも栄誉をほしがる。しかし、昇りつめれば転落が始まり、栄誉も長く続けば禍のもとになる。
その機微を心得ていた范蠡(はんれい)こそ、「明哲保身」の人だった。
常に次のステージを見据えて行動を進めていく
行動:あることを目的として、実際に何かをすること。
この范蠡のように、ある組織で結果をだし、その組織に居座るのではなく次のステージに突き進む。いつまでの成し遂げた栄誉に浸るのではなく、新たな栄誉のために邁進を進める。そういった姿勢というのが、名君たる人物の特徴なのかもしれない。
キャリア形成とは先行きの選択肢を複数考え、自分が進む道を意識的に選び、その道でやっていくために必要な知識やスキル、経験をどう身につけていくのか、自分で設計し、実現していくことです。
作家 ちぎりん 「未来の働き方を考えよう」文藝春秋
この言葉でも紹介されているように、「先行きの選択肢を複数考え」という言葉は私はとても共感します。
社会で生きていくうえで、社会に役立つ方法はいくらでもあると思います。自信の可能性を広げるために、常に学びを深めて知識をつけて思慮深い思考を身につけることが大切だと思います。
退屈は2種類ある。一つは何かしら実を結ばせる退屈であり、もう一つは無意味な退屈である。
ラッセル 幸福論
言うまでもなく、勉強は「実を結ばせる退屈」であろう。
”やらなければならないこと“を知る
ここで范蠡は、“やらなければならないこと”をしっかり知り、理解していたのだと思います。
物事を好転させるためには、“やらなければならないこと”=“準備”をどれだけクオリティ高くおこなえているということが重要だと思います。
やりたいことは、やらなければいけないことの向こう側にあるんだよ。
教育者 陰山英男 「人生にとって意味のある勉強法」PHP新書

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