中国古典〜1日1言〜:3/16
3/16
清にしてよく容るるあり、仁にしてよく断を善くす
-清能有容、仁能善断-
「菜根譚」
清にしてよく容るるあり、仁にしてよく断を善くす
「清廉であってしかも包容力がある。思いやりがあってしかも決断力に富んでいる」
清:清廉(心が清らかで、私欲のないさま)
仁:思いやり
世の濁流に染まらず、清潔に身を持するのは容易でない。そういう意味で、清廉は美徳である。だが、清廉の士の欠点は、自他に厳しさを求めるあまり、包容力に欠ける点にある。
同じように、思いやりも美徳である。しかし、これも度が過ぎると、人情のしがらみに足をすくわれて、決断がにぶくなる。
矛盾しがちな要件を両立させることによって、バランスの取れた人間像が形成されるのだという。
自分の芯をもつ
”世の濁流に染まらず、清潔に身を持するのは容易ではない”は本当にその通りだと思います。私は、”読書によって内在的に自身の考え方の芯を作る”ことをしておかないと、簡単に世の濁流に染まってしまうと考えています。
情報リテラシーを高めるためには、一次情報に触れないといけません。テレビや書籍、ラジオなどは二次情報です。ブログやSNS、セミナーなどは三次情報です。一次情報というのは、現地の生の声や実際に自分が体験したことがまず一次情報です。実体験を伝えるというのは、何よりも説得力があります。
医学的には、一次情報というのは査読付き学術誌掲載論文などです。情報源が確かな情報を日々扱えるようにするには、日々学術誌などの論文を読むことです。
厳しさを作る
いきなり他人に厳しくすることは難しいかもしれません。そういう時には、まず自分自身に厳しくあたることが大切だと思います。「このぐらい良いだろう」「また明日やろう」など、自分自身への甘さが日常茶飯事の場合は、人に厳しくする権利はないと思います。
優れたリーダーというのは、自分自身に厳しく接することができる人だと思います。そうすることで、他人には優しくもできるし、厳しいことも言えると思います。
矛盾を両立させる
「矛盾しがちな要件を両立させることによって、バランスの取れた人間像が形成されるのだという。」と著者は述べています。これは非常に難しいことかもしれませんが、このバランス感覚は非常に大切だと思います。
サッカーにおいても、攻撃と守備のバランスをとらないといけません。得点をたくさんとりたければ、攻撃に比重をおく。失点を防ぎたい場合は守備に比重をおく。これは当たり前の考えですが、”得点をとる”と”失点をしない”という矛盾しがちな要件を両立させることが、チームとしてバランスのとれたチームなのかもしれません。
保守と革新という考えもそうかもしれません。安定を求めると保守という形になってしまいますが、環境を良いものに変えるためには革新という考えが大切です。
日本人は減点思考という側面があるとも言われており、リスクをとることに消極的です。逆にアメリカ人は加点思考とも言われており、リスクをとることやミスをすることに寛容だと思います。
成長するために、両者の考えを比較すると、加点思考が大切だと感じます。
清・仁のなかにも、”厳”を扱えるようなスタンスで物事に取り組んでいくことが大切だと思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。