中国古典〜1日1言〜:5/11
5/11
細人の人を愛するや姑息を以ってす
-細人之愛人也姑息-
「礼記」
細人の人を愛するや姑息を以ってす
細人:小人と同じ、君子の反対で、つまらぬ人間という意味。
姑息:一時しのぎで当面をとりつくろうこと。
「人を愛す」とは、もともと相手のために何でもしてやりたいという強い願いを伴う。だが、「細人」の場合は、してやることが姑息の域を出ない。これは愛の深さのちがいというよりは、人間のレベルのちがいであろう。
本質を理解する
「相手のために何でもしてやりたいという強い願い」というのは、そう簡単に生じるものでもないのかもしません。人間は利己的な生き物だと私は思います。自身の利益だけを追求してしまうと、徳のある人物とはいえません。
世界情勢や社会情勢などの対局的な視点は常に持っておく必要があると思います。よく喧嘩をする子供たちなどは、視野が狭くなってしまいます。一時期の感情の昂りで誤った行動を起こしてしまったことは誰しもがあると思います。しかし、それは世界単位や社会単位でみると些細なことで済まされることもあります。
人間は生まれた時から社会人です。社会の中で生きています。その社会に対して自分が何ができるのかを常に考える必要があると思います。
人を愛し、組織を愛し、社会を愛し、そのために自分になにができるかを考えて行動を重ねていくことが人徳を高めるために必要な手段だと思います。
とりつくろうことばかりしない
「とりあえずこれぐらいしていたらいいだろう」というアバウトな言動ばかりする人物には、人望はつかない。私はそのように思います。とりつくろうことばかりするような人物は、さまざまな事柄に対してアバウトな対応ばかりしてしまうと思います。
常に人との約束や自分との約束には妥協せずに、誠意を持って対応していくことが、「君子の人を愛するや徳を以ってし」となると考えられます。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。