中国古典〜1日1言〜:4/3

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柱に膠して瑟を鼓す
-膠柱而鼓瑟-
「史記」
柱に膠して瑟を鼓す
琴柱:和琴および箏で、胴の上に立てて弦を支え、その位置によって音の高低を調節するもの。和琴では二股状のカエデの枝を切って逆さにして用い、箏では紅木・象牙や合成樹脂製のものを用いる。
膠:動物の皮、腱、骨、結合組織などを水で煮沸し、溶液を濃縮・冷却・凝固してつくった低品質のゼラチン。
琴柱を膠で固定してしまったのでは、出てくるのは同じ音ばかりで音楽にならない。つまり、融通のきかない硬直した思考を笑ったのが、このことばである。
「(中略)理屈こそ達者ですが、いざ実戦ともなれば、臨機応変の指揮などできますまい」
いわば趙奢の敗因は、実戦体験に乏しい硬直した思考にあったのである。
融通をきかす
融通は「その場その場で適切な処置をとること」という意味があります。準備して備えているのではなく、知識や経験に基づいてその場で瞬時に判断することが求められます。
適切な処置をとるためには、過去の成功体験やその時の精神状態が大きな影響を与えると考えられます。
私も、学生時代に大事な試合でゴールを決めたことがあるのですが、そのゴールは練習でtryしていたシュートでした。とっさの場面でそのシュートを選択してゴールを決めることができました。そういった練習での成功体験が大事な場面で活かされることを身をもって体験しています。
指揮についても、熟考して決断した結果は、今後の指揮をとるうえでも参考になる大切な経験になります。
硬直した考えはクオリティを下げる
常に、時代は前進します。人間の思考も常にアップデートを繰り返していかなければなりません。使わなくなった知識は古くなり質が下がります。
そして、この言葉にあるようにな硬直した考えというのは臨機応変な対応を阻むものになりかねません。
自身の哲学に信念を持って取り組んだ結果であれば許されるかもしれませんが、物事には背景が存在します。背景をみずに、自身の信念を貫き通すことが硬直した考えになると思います。
背景にあった考えや取り組みが常に行われているか、適切であるかをチェックしながら指揮をとることが大切です。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。