中国古典〜1日1言〜:5/24
谷本一真
taniblog
山を為ること九仞、功を一簣に虧く
-為山九仞、功虧一簣-
「書経」
山を為ること九仞、功を一簣に虧く
「九仞もの高い築山をきずくとき、最後の簣一杯の土を運べば完成するところまできても、そこで止めてしまっては完成しない。長い間の努力も最後のほんのわずかな失敗によってむだになってしまうことのたとえ。」
仞:八尺
簣:土を運ぶ器
朝は早くから夜は遅くまで王者としての徳を磨くように勤めなければならない。些細なことだからと気をゆるめると、ついには大きな徳をそこなうであろう。
地力を高めるためには、苦労を経験することが必須だと考えています。簡単に手に入る知識や技術には、応用力に還元できません。苦労して手に入れた知識と技術は、定着性があります。苦しい場面や咄嗟にでる能力に、地力が生きてきます。
ゴールが見えてくると、人は安心してしまう側面があると思います。大切なことはゴールするまで気を抜かないことです。
「朝は早く、夜は遅く…王者の徳」とありますが、どれだけ自分の体に時間を投資できるかが大切になってくることがわかります。
リラックスをすることも大切ですが、苦労に耐えられる心身を作ることも大切だと思います。
そういった地力を鍛えることが、王者の徳として大切なことだと思います。「楽」に対して時間を投資するだけでなく「苦」に対して時間を投資することも人生をより豊かにするために大切な投資法なのかもしれません。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。