中国古典〜1日1言〜:5/12

5/12
心を養うは寡欲より善きはなし
-養心莫善 寡欲-
「孟子」
心を養うは寡欲より善きはなし
心を正しくまっすぐに育てるためには、欲望を少なくするのがいちばんよい、というのである。
孟子の思想の根幹を成しているのは、性善説である。
かれによれば、人間の本性は善であり、この善なる本性は誰にでも備わっており、王侯であろうと庶民であろうと、全く変わりがない。
だが、人間の本性が善だからと言って、現実の人間が善であるとは限らない。善なる性を全面的に開花させるためには、人格完成のための「修養」を必要とする。この修養によって人格を完成させたものだけが人の上に立つ資格があるのだ、と主張した。
修養:学問を修め精神をみがき、人格を高めようと努力すること。
欲望
「心を正しくまっすぐに育てるためには、欲望を少なくする」こととあるが、私はそうとは思いません。なぜなら、人間には欲望がつきものだからです。大切なことは欲望とどのように向き合っていくかということだと思います。
そこで大切なのが本質です。人間は体裁を気にする生き物でもあると思います。体裁ばかりを気にするような思考回路だと、表面的な行動を多くとってしまうと思います。
テレビが流行る前までは、書物などから情報を自分からとりにいく行動をおこしていました。しかし、現在はテレビから流れてくる情報を受け取るだけの状況が発生してしまいます。
表面的な行動を起こす状況は、情報収集スタイルの変化が大きく影響を与えていると私は考えています。
本質
なので、本質を追求する教育が大切だと思います。本質とは、”世界”を考えることだと私は思います。人間はいまのところ、地球という世界で生きています。世界には「全人類社会」という意味合いもふくまれています。
地球、世界という規模で物事を考える習慣をつける必要があります。なので、世界史や日本史などの歴史教育はとても大切だと思います。そして、人間が生活していくためのエネルギーについても知見を深めていく必要があります。
心をまっすぐ育てるためには、どういう環境に身を置いているかを理解しておく必要があります。まずは地球規模の大きな単位で、自分が生きている環境を俯瞰してみる必要があります。
そのなかで、自分が社会のために何ができるかどのように生きていくかを考える教育を少年期から与えていくことが大切だと思います。なおさら、家庭教育の重要性を痛感します。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。