中国古典〜1日1言〜:3/23

3/23
怨みに報いるに徳を以ってす
-報怨以徳-
「老子」
怨みに報いるに徳を以ってす
徳をもって怨みに報いる、つまり、旧怨(昔からのうらみ)にこだわらず、つねに善意をもって他者に対せよと説いたもの。
人間関係のきわめて高いレベルを示している。
徳には徳で報いるのが当然であるが、怨みには「直」(理性的な判断)で報いよと説いているのだ。
人間関係で大切なこと
この言葉を通して、コミュニケーション場面において大切なことがわかります。
まずは、「徳には徳で報いる」ということです。
当たり前のことが当たり前にできないといけない。
これは指導者としてよく使う言葉ですが、これが難しいことであると私も発言しています。
徳を受けているという自覚が、個人には軽薄な面もあると思います。温かいお風呂に入れることや、すぐ電気がつくこと、家族やパートナーにご飯を作ってもらうことなどサポートしてくれることなど、こういったことが当たり前になってしまい、感謝として感じることが軽薄になってしまいます。そういった当たり前のことが、いかにありがたいことかを気づかないといけません。
特に子供たちというのは、与えられた環境に感謝をする機会が少ないと私は思います。これは宗教観や親の教育などさまざまな要因があるかと思います。
自分以外との関係を良好にするためには、些細なことを見逃さずに、感謝をして「特には徳で報いる」ということが、当たり前にで行えるようになっていかないといけません。
理性的な判断をおこなう
人間関係において、一時の感情で対応してしまい関係性を壊してしまうこともあるかと思います。この言葉においても、怨みには「直」でむくいよと説いています。
人間の感情コントロールにおいては、精神面に大きく左右されると思います。精神面というのは、家庭環境や家族環境に加えて、社会教育に大きく影響されると考えています。
しっかりと愛情を受けて育ち、柔軟な物事の考え方ができるような教育をうけることが精神面に多大な影響を与えると思います。
こういった教育において大切なことは、「本を読む」ことと「自然の中で遊ぶ」ということです。本には先人たちの叡智に触れることができ、他者(先人たち)と会話をするよい機会となります。
そして、大自然の中で遊ぶことで五感を鍛えることができます。こういった人間の本質を向上させることは、精神面を向上させるうえで大切なことだと考えています。
怨みには徳で報いる
嫌なことをされたとしても、決して自分も嫌なことをしてやり返すのではなく、徳で報いるということをおこなっていくことが社会をよくするために大切なことなのかもしれません。非常に難しいことだとは思いますが。
身の回りのことに感謝し日々を過ごしていくことが、徳で報いるための第一歩かもしれません。

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