中国古典〜1日1言〜:5/10

5/10
衆怒は犯し難く、専欲は成り確し
-衆怒難犯、専欲難成-
「左伝」
衆怒は犯し難く、専欲は成り確し
「大勢の人間の怒りには抵抗しがたく、自分一人の欲望を遂げようとしてもむずかしい」という意味。
むかし、鄭の子孔という宰相が自分かってな改革案をつくって重臣たちに押しつけ、総スカンを食らった。子孔は反対するものを皆殺しにしようとした。このとき子産という人物がこのことばを引き、
「二つの難きを以って国を安んぜんとするは危うきの道なり。専欲は成ることなく、衆を犯さば禍を起こさん」と説得して、改革案を撤回させたという。
どのような民衆なのか
民衆と一言で言っても、民衆には特色があると思われます。愛媛県でも「宇和島の人は」「八幡浜の人は」「東予の人は」など、地域単位の名称で特徴を表現する人もいます。
また、「日本人は」「アメリカ人は」「島国の人は」などと、さまざまな分類で特徴を表現することもあります。
大切なことは、自分が意見を通そうとする民衆がどのような集団なのか客観視できることが大切だと思います。それには統計処理が必要となります。年齢や性別、どのような思想論者が多いのかなど。
表面的に見える部分と、中に入ってコミュニケーションを図らないといけない部分があります。組織の中でもそうです。組織がどのような組織なのか、客観的に評価ができるようにならなければなりません。
どのような組織か?仕事でもスポーツでも、自分達の色をまず明確にお互いが認識し、その中で個人の色を出して綺麗に交わるような努めなければなりません。
特徴を把握する能力
組織や個人の特徴を把握する洞察力というのは大切になってきます。そのためにも見識を広めて学びを深め続けなければなりません。
人間の感覚能力というのは、使用しなければどんどん衰退していきます。自分の見識だけで世界を見ると井の中の蛙になってしまいます。
子孔のような自分勝手な振る舞いが許される時代ではありません。民衆の心を掴むためには、民衆のため社会のためになる行動を積み重ねていく必要があると思います。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。