中国古典〜1日1言〜:2/1

2/1
人みな有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり
-人皆知有用之用而莫知無用之用也-
「荘子」
人みな有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり
無用の用:無用だと思われているものこそ実は有用なのだという主張である。
有用:役に立つこと。
無用:役に立たないこと。必要でないこと。
「荘子」は、有用性だけを追い求める一面的な価値観から、無用なものまで視野に入れる多面的な価値観への転換を説いている。
有用性だけをガツガツ追求している人間は、どこかゆとりに欠けている。人間としてのスケールも小さく、将来の大成も望めないように思う。
有用性を追い求める
自分の役に立つ情報を取り入れることは大切です。
情報化社会の昨今、情報リテラシーを高めるためにさまざまな情報に触れて、自分の考えをもつことは大切なことだと考えています。
しかし、何も考えずにテレビや人が言ってることをそのまま鵜呑みにして自分の考えにすることは、リテラシーを損ねる良くない考え方だと思います。
自分の目的のために役に立つ情報をとりいれ、有用性を追い求める、目的を達成するために前に進む方法だと思います。
無用性を楽しむ
しかし、この有用性ばかりを追い求めると心の余裕がなくなっていくという。心の余裕が生まれて無用だと思うことが、有用性を兼ね備えてたりする。
”急がば回れ”という言葉もある。
一見、無用だと思えることも、めぐりめぐって自分にとって有用となる事柄になるのではないでしょうか。
人生に無駄なことはない。無駄だと思えることも後の人生に絶対に生きてくる。そう思えると失敗も挫折も自分にとっては必要な栄養だと思います。
心に余裕をもつために、自分自身を大切にする時間も設ける必要があると思います。瞑想やジョギング、入浴、家族との時間などは心に余裕をもつための一つの手段だと思います。
そして、イノベーションは違う分野どうしをかけ合わせた時に生まれるという事も言われています。
自分が目的としている事柄を達成する手段として、一見違う分野での取り組みが功を奏す場合があります。
趣味を持ち、余暇時間を楽しむことが本業にも生きてくるのでしょう。
少年サッカーにおけるチームメイトの重要性
スポーツでは仲間が必要です。特に少年サッカーの現場では技術的に上手い選手と下手な選手が入り混じります。
では上手い選手だけを集めてチームを作ればよいのか?
目的が試合に勝つことだったら、それで良いのかもしれません。しかし、私は少年サッカーにおいては人格形成を主としています。
チームには多様性があります。キックが上手い選手、パスが上手い選手、ドリブルが上手い選手、話を聞く選手、話を聞かない選手、スポーツを掛け持ちしている選手、挨拶をする選手、荷物を片付けない選手…
みんなが同じロボットのように行動をすると、面白味がありません。
ここの人間的な教育を行っていくことが、指導者としての責任があると思います。
有用な選手ばかり育てるのではなく、サッカーの基礎を作るためにも有用な選手を育てつつ、裾野を広げる活動が大切だと考えています。
そいういった中で、新潟県の私立高校である帝京長岡の取り組みがとても素晴らしいと思います。
こういった活動が、サッカーの裾野をお広げる活動につながると思います。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。