中国古典〜1日1言〜:6/18
6/18
寿ければ即ち辱多し
-寿則多辱-
「荘子」
寿ければ即ち辱多し
長生きすれば、それだけ恥をかく機会が多くなるというもの。
『荘子』のつぎの話が出典になっている。
「たくさんの男の子がさずかりますように。富にめぐまれますように。長寿にめぐまれますように」と祝福をうけたが、「男の子が多いと心配事が絶えない。金持ちになるとわずらわしいことばかりだ。長生きすれば、それだけ恥も忍ばねばならない。ー」
これはこれで立派な見識である。だが、『荘子』に言わせると、そんなことにこだわっているのはまだ低いレベルで、とうてい人生の達人とは言えないのだという。
なんのためのこだわりか?
人間には何か一つこだわっていることがあるかと思います。しかし、そのこだわりというのは本当に必要なこだわりなのかを俯瞰して評価することも大切ではないでしょうか。
こだわるにはこだわる理由があります。そのこだわりに沿った言動が本当に行われているかが重要なポイントです。こだわりを持っただけで、そのこだわりに沿う言動が行えていなければ、そのこだわりは必要なものではないかもしれません。
ときにこだわりというのは心を落ち着かせてくれる存在になるかもしれません。自分のこだわりが自分にどのように作用し役立っているかを評価することは大切だと思います。
楽をしたい生き物
この言葉で紹介されている「男の子が多いとー」という一節には、不要な心配や出来事から回避するための思考だと思います。これはデメリットに目を向けていることだと思います。しかし、これをポジティブな側面からみると、世のため人のために幸せに暮らせる要素が多分にでてくると思います。
社会において極端な見方だけをおこなうことにはリスクが伴うと私は思います。
現代においてロシア・ウクライナ問題にしてもそうです。ロシアからのエネルギー依存をいきなり0にできるわけではありません。そして、ロシアやウクライナの歴史的背景や文化をみずに、いまの現場を捉えるのには偏った見方しかできない恐れがあります。
こういった背景や文化をみようとしないのは、”楽をして情報を得る”ことに慣れてしまったことが要因ではないでしょうか。
百聞は一見にしかずという言葉がありますが、ロシアやウクライナにいる人に直接会って現場を聞くことが一番の情報理解だと思います。
今の日本人はそういった歴史観に欠けている部分が否めないと私は思います。私自身も、地元の歴史や文化を他の人に説明しろと言われても正確に伝えられていることをすべて伝えるkとは難しいです。しかし、その土地で育った人にはその土地柄の性質がしみつくのではないかと私は思います。
現代はSNSの発展で一見ができるのかもしれませんが、画面上と実際では感情や空気感まで把握するのは難しいと現時点では思います。
恥をかくことを恐れない
日本には”恥の文化”があると指摘する人もいますが、この恥という感情は成長をする上ではデメリットの方が多く発生してしまうと私は思います。
自分の殻を破り、自分の価値観という器を広げて、より多くの人たちとつながりながら生き抜いていくことが大切だと思います。
人生において最も大切なことは、より良い友人と出会うことだと指摘する人もいますが、私もそれに共感します。
恥を恐れて足踏みをするのではなく、恥を恐れずに外に踏み出して自身の価値観を高めていくことが社会人において大切なことの一つだと私は思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。