中国古典〜1日1言〜:5/18
5/18
人生は朝露の如し
-人生如朝露-
「漢書」
人生は朝露の如し
人生の短くはかないことを嘆いたことば。
漢の時代、匈奴に使いした蘇武はそのまま捕らえられて極北の地に追いやられる。
李陵という将軍がその蘇武のもとを訪れて匈奴への帰順をすすめたとき、このことばが引用されている。
短い人生、もっと楽な生き方をしてはどうかとすすめたもの。
朝露
この言葉には考えさせられる部分がいくつかあります。朝露には「はかないもの」にもたとえられることがあります。
そもそも、生き物の命というのは儚いものです。
儚い:儚い(はかない)は「消えてなくなりやすいさま」や「不確かで実現の可能性が乏しいさま」という意味の言葉です。
生き物の命というのは、その大きさによって儚さの尺度がかわってくると私は思います。
人間という世界に約70億人いる生き物は、この世界を支配しています。一人一人の存在というのは、70億分の1であり、非常に儚いものだと思います。
人の夢
人の夢と書いて“儚い”と書くことができます。
子供に「将来の夢は?」「夢を持つことが大切」という言葉をかけるアスリートもいると思います。
実現する可能性が低いものが“夢”として考えられます。
しかし、大切なのは結果よりも“過程“だと私は最近つくづく思います。結果至上主義なのはたしかにそうかもしれません。しかし、過去を振り返るとどのような結果を残したかというよりも、どのような過程を歩んできたかということの方が記憶にのこっています。
そして、その過程から得られる結果が、自身の未来を築いています。大切なのは過去よりも未来です。その未来を形作っていくものが”過程“であり日々の日常です。
夢を持つことが大切だと、私も思います。しかし、もっと大切なことは目標をもつことです。それは人間社会で生きている以上、社会のためになる目標をもつことが大切だと思います。
利益至上主義で、個々の幸せを考えるだけではなく、社会全体の幸せを考えるように一人一人が生きていけるようになれば世界は幸せになると思います。
人間の歴史というのは常に争いが繰り広げられています。現在も中東問題やロシア、ウクライナ問題など争いは絶えません。戦争がビジネスとなっているからです。
天国思想からくるとされる共産主義は、私には詳しくまだ学べていませんが、何事もバランスが大切だと思います。
(斉藤幸平著『人新世の「資本論』というもので、低成長経済にてんかんすることによって、共産主義を実現するという考えを著しています)
私は中庸のある世界になることを望んでいます。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。