中国古典〜1日1言〜:3/20

3/20
貧しくて怨むなきは難く、富みて驕るなきは易し
-貧而無怨難、富而無驕易-
「論語」
貧しくて怨むなきは難く、富みて驕るなきは易し
「貧しい境遇にありながら他人や世の中を恨まないことは、難しい。一方、金持ちで驕りたかぶらないのは、少し自制心を働かせるだけなので、たやすい。」
人間は誰でも不遇な状態におかれると、なんでおれだけこんなみじめな思いをしなければならないのかと、人を怨み、天を怨みたくなる。これは人情の自然であって、その逆は、よほどできた人間でもむずかしい。
孔子という人は、逆境に育った人である。幼い時に父を失い、小さいときから生活の苦労に耐え、貧乏暮らしの辛さ、苦しさをつぶさになめながら成長した。このことばには、そういう人物の実感がこめられている。
子供は自分の環境を選べない
大人と違って、子供は自分で環境を変えることは難しいです。与えられた環境でもがくことが小学生においては大切なことだと思います。子供の頑張りに応えるのが親の役目だと思います。親が子供に頑張らせるというのは、現代においてはしばしばあることかもしれません。
大人になってより良い環境に身をおくためには、少年期の教育はとても大切であることが大切です。孔子のように幼い時に辛い経験を大人になって活かすことで、君子として存在することができるのかもしれません。
恵まれた環境でハングリー精神が培われにくいわけ
この言葉にある「富て驕るなきは易し」というように、恵まれた環境では『少し自制をきかせたら良い』という。つまり、自制をきかせる機会が少ないことが精神力を鍛える機会を阻害しているとも解釈できます。
私としては、苦しいことに耐え忍ぶことで自制心を鍛えることができると思っています。成長する過程において、困難という壁に立ち向かう機会は多分にあります。その壁ひとつひとつ乗り越えていく必要があります。その壁を多く乗り越えた人間が、大成する人物だと思います。
困難の種類はさまざま
小学生のサッカー指導の現場にいると、いじめに関する話も耳にします。そういった人間関係のトラブルは非常にデリケートな問題になると思います。そういった経験が将来活きると安易に言葉をかけることも無責任にもなります。
「なんで自分だけ」と考えるのが人情の自然だと思います。しかし、この困難にどのように立ち向かっていくかが大切だと思います。
失敗とは転ぶことではなく、起きあがらないことである。
メアリー・ピッグフォード
目の前に壁にある場合、その道を前に進むためには乗り越える手段もあれば避ける手段もあります。大事なことは転んでも起き上がり、また前に進んでいくことです。
各人与えられる環境は違います。しかし、目的とする場所は同じ場合もあります。その環境において生じる人情の自然にさからって生きていくことも大切なのかもしれません。

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