中国古典〜1日1言〜:3/10
3/10
泰山は土壌を譲らず、故によくその大を成す
-泰山不譲土壌、故能成其大-
「史記」
泰山は土壌を譲らず、故によくその大を成す
「度量の広い人は、どんな意見でもよく取り入れる、ということのたとえ。」
泰山:標高千五百二十四メートルとそれほど高くはないが、奇観に富み、中国を代表する名山として知られる。日本で言えば、富士山にあたるかもしれない。
その泰山はわずかな土くれも捨てないからこそ、あれだけの雄大な山容を形作っているのだ、というのがことばの意味である。
これは、管理職としての心構えにも通じるかもしれない。部下に対しては、あいつは嫌い、こいつは使いにくいなどと言っているようでは、ろくな働きはできないということだ。
積極的に人材を受け入れてこそ国を強大にすることができる
この言葉の解説で、著者がこのように述べています。サッカーや野球など、スポーツにおいても、競技人口が多くなるほど優秀な選手が多く輩出されます。
サッカーだと、日本はプロリーグが発足し30年ですが、サッカー文化の急激な発展により100年以上歴史のあるヨーロッパの国にも戦えるだけの力を得ています。
少年サッカーの現場でも、人口の多い地域のほうが強いチームが存在する傾向があります。地域でサッカーを強くするためにはサッカー人口を増やしていく必要があると改めて思います。
自分と意見の違う人物を大切にする
チームや仕事などにおいて、自分の意見と違う人材は大切にすべきだと思っています。意見の食い違いは、物事を客観的にみるためにも大切なことです。
自分と違う意見を跳ね除けるのは簡単です。しかし、違う意見を受け入れて思考を深めていくことが大切であることがわかります。
泰山のように”どのような土くれも捨てない”ことは、”どのような意見も捨てない”ことにつながります。そうしていくことが大を成すことにつながると感じています。
またこの言葉において、著者は管理職としての心構えを述べています。サッカーの指導者としてもこの言葉を参考にすることができます。
同じチームには、能力の高い選手と能力の低い選手が存在します。能力の高い選手に練習を合わせることは簡単です。大切なのは底辺の底上げです。能力の低い選手でも能力の高い選手と同じ練習ができるようにするのが指導者としての腕の見せ所だと思っています。
大を成すために
このように、大を成すためにはいろいろな意見を捨てることなく拾い上げることが大切であることがわかります。そのためにも、相手から意見を引き出さないといけません。
そして、引き出した意見をうまく吸収することが難しいと感じています。私も仕事やサッカーの現場においても色々な意見をいただきます。本当にありがたいことです。その意見をうまく吸収することを心がけています。うまく吸収をしていくと、雄大な山容になることができると思います。
また、指導者には熱量が必要だと考えています。取り組む事柄に対して熱い思いを抱くことが、関わっている人たちに対して誠意を表す一つの手段です。
泰山のように大を成すために、人の意見を真摯に受け入れて、仲間に対して真摯に向き合っていくことが雄大な山容をえるための大切な方法のひとつだと感じています。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。