原発について、東日本大震災前後での変化と現状
火力発電とは?日本の電気を支える発電方法を簡単に整理する
主な参考資料:資源エネルギー庁、経済産業省、電気事業連合会、環境省
この記事では、日本の電力供給の中心となっている「火力発電」について、できるだけ簡単に整理します。火力発電は、石炭・天然ガス(LNG)・石油などを燃やして電気をつくる方法です。日本では現在も電力供給の大きな割合を火力発電が担っており、原発や再生可能エネルギーを考えるうえでも避けて通れないテーマです。
火力発電とは
火力発電とは、石炭・天然ガス(LNG)・石油などの燃料を燃やし、その熱で水を蒸気に変え、蒸気の力でタービンを回して電気をつくる発電方法です¹。
イメージとしては、「大きなやかんでお湯を沸かし、その蒸気の力で巨大な羽根車を回す」という仕組みに近いです。実際の発電所では、その羽根車にあたるタービンが発電機につながっており、タービンが回ることで電気がつくられます¹。
火力発電の主な燃料
火力発電で使われる主な燃料は、石炭、天然ガス(LNG)、石油です。日本の電源構成では、2024年度に火力発電(バイオマスを除く)が67.5%を占めています²。
| 燃料 | 特徴 | 課題 |
|---|---|---|
| 石炭 | 比較的安く、大量の電気をつくりやすい | CO₂排出量が多い |
| 天然ガス・LNG | 石炭よりCO₂排出量が少ない傾向がある | 輸入依存が大きく、価格変動の影響を受ける |
| 石油等 | 需要が高いときなどに使われることがある | 発電コストやCO₂排出の面で課題がある |
2024年度の日本の発電電力量を見ると、天然ガス・LNGが32.2%、石炭が28.1%、石油等が7.2%でした²。つまり、日本の電気の約3分の2は、今も火力発電によって支えられているといえます。
2024年度の日本の電源構成
| 電源の種類 | 2024年度の割合 |
|---|---|
| 天然ガス・LNG | 32.2% |
| 石炭 | 28.1% |
| 石油等 | 7.2% |
| 原子力 | 9.4% |
| 再生可能エネルギー(水力含む) | 23.1% |
この表を見ると、原子力や再生可能エネルギーも一定の割合を占めていますが、現在の日本では火力発電の存在が非常に大きいことがわかります²。
火力発電のメリット
火力発電の大きなメリットは、発電量を調整しやすいことです。電気は、使う量とつくる量のバランスを常に合わせる必要があります。火力発電は、燃料の使用量を調整することで発電量を変えやすく、電力需要が増える時間帯や季節に対応しやすいとされています¹。
また、火力発電は大量の電気を安定してつくることができます。太陽光や風力は天候に左右されますが、火力発電は燃料が確保できれば比較的安定して発電できます。そのため、再生可能エネルギーが増えていく中でも、電力の安定供給を支える役割があります。
火力発電の課題
一方で、火力発電には大きな課題もあります。
第一に、CO₂排出です。火力発電は燃料を燃やすため、地球温暖化の原因となる二酸化炭素が発生します¹。環境省の資料では、発電量あたりのCO₂排出量は、石炭火力がLNG火力よりも大きいことが示されています³。
第二に、燃料の多くを海外から輸入している点です。日本は石炭、天然ガス、石油などの化石燃料を多く輸入しています。そのため、国際情勢や燃料価格の変動が、電気料金や電力供給に影響する可能性があります。
第三に、脱炭素との両立です。政府は2050年カーボンニュートラルを目指しています。その中で、火力発電をどのように減らしていくのか、あるいはCO₂を減らす技術と組み合わせて使うのかが課題になっています。
バイオマス発電も火力発電なのか
少しややこしい点として、バイオマス発電があります。バイオマス発電は、木材や食品廃棄物などの生物由来の資源を燃やして発電するため、仕組みとしては「燃やして発電する」という意味で火力発電に近いです。
ただし、統計上は再生可能エネルギーとして扱われることがあります。資源エネルギー庁の資料でも、火力発電の割合を示すときには「火力(バイオマスを除く)」と表現されています²。つまり、バイオマスは燃焼を使う発電ではありますが、石炭・LNG・石油による火力発電とは分けて考える必要があります。
原発や再エネと比べてどう考えるか
火力発電は、現在の日本の電力を支える重要な発電方法です。一方で、CO₂排出や燃料輸入への依存という課題があります。
原発は発電時にCO₂をほとんど出さない電源として評価される一方で、安全性や廃炉、使用済み核燃料の問題があります。再生可能エネルギーは脱炭素の面で重要ですが、太陽光や風力は天候による変動があります。
そのため、現実的には「火力か、原発か、再エネか」という単純な選択ではなく、それぞれの長所と課題を見ながら、電力の安定供給、環境負荷、経済性、安全性を総合的に考える必要がありそうです。
まとめ
火力発電は、石炭・天然ガス・石油などの化石燃料を燃やして電気をつくる発電方法です。2024年度の日本では、火力発電が発電電力量の67.5%を占めており、今も日本の電力供給の中心的な役割を担っています²。
一方で、火力発電にはCO₂排出や燃料輸入への依存という課題があります。原発や再生可能エネルギーの議論を考えるときにも、火力発電がどのくらい日本の電力を支えているのかを知っておくことは大切だと思います。
火力発電は、すぐになくせるものではありません。しかし、将来に向けては、火力発電への依存をどう下げていくのか、再生可能エネルギーや原子力とどう組み合わせるのかを考え続ける必要があるのではないでしょうか。
参考・引用文献
- 電気事業連合会.「火力発電 - 様々な発電方法」.
- 経済産業省.(2026)「令和6年度(2024年度)エネルギー需給実績(確報)を取りまとめました」.
- 環境省.「電気事業分野における地球温暖化対策について」.
- 資源エネルギー庁.「電気をつくる方法 その 火力発電・水力発電」.

