中国古典〜1日1言〜:5/16

5/16
君は舟なり、庶人は水なり
-君者舟也、庶人者水也-
「旬子」
君は舟なり、庶人は水なり
「君主は舟、人民は水」にあたるのだという。
船が水しだいで安定もし転覆もするように、君主の座も人民の出方しだいで安定もし転覆もする。
だから君主がみずからの地位を安泰にするためには、何よりもまず人民の信頼を得るようにつとめなければならないというもの。
これを為政者の心構えとして読めば、二千数百年もまえも、民主主義の現代も、本質的には変わりがないということになる。
では、為政者が人民の信頼をかちとるためには何をすればよいのか。『荀子』は、つぎの三項目をあげている。
・公平な政治、人民のための政治を心がける。
・社会の規範を尊重し、すぐれた人物に敬意をはらう。
・賢者を登用し、有能な人物に仕事をまかせる。
世界と違う航路で舟を進ませている日本
敗戦国となった日本は、その後のGHQの占領下において憲法が制定されました。わずか1年ほどで憲法の基盤ができあがっているのです。
日本国憲法誕生を日本とGHQの双方の視点から時系列で掲載されているサイト
そんな世界と違うレール(航路)の上におかれた舟で、航海をしているのが日本です。その航路には違う航路からさまざまな物質が流れ込んでしまいます。その航路からとれる食べ物を食べ続けた日本人は、病気が多く発生してしまいます。
ベトナム戦争で枯葉剤をつくったモンサント、いまは遺伝子組み換えの作物をつくっています。そこで生まれた子供たちには奇形児が誕生しているという指摘もあります。
汚れた土地で育った食べ物を食べ続けると、体に害が生じることが懸念されます。そういったファクトを知らせずに、徐々に農薬づけに化学物質づけにさせられている日本。思考能力も低下し、昔の日本人のような志が高い日本人の減少が危惧されます。
君主としての自覚
君主のような高貴な役職ではないですが、指導者や教師など、組織のトップに立つ人物には組織に所属する人間から信頼をえるように努める必要があります。
志の高い人物の場合、組織のトップに不信感を抱いたら環境を変えます。アメリカなどの競争社会では優秀な人材は囲い込むようにしているとのことです。
日本のトップに不信感を抱いたとしても、それを正そうとする政治家が、日本にどのぐらいいるでしょうか。自民党のなかで、長いものに巻かれてばかりだから、新聞やテレビなどは都合の良い情報ばかり流して国民を思考力を弱らせてしまっています。
自ら考えて政治に参加する。そういった政党が現在でてきています。
乗る船を間違えず、航路を間違えないように人生を歩んでいきたいと思います。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。