中国古典〜1日1言〜:5/30

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安きに居りて危うきを思う
-居安思危-
「貞観政要」
安きに居りて危うきを思う
貞観政要:名君の誉れ高い唐の太宗とその側近たちが、力を合わせて政治に取り組んだ苦心談の記録である。
その中の一節 — 魏徴という側近が太宗に向かって、つぎのように語っている。
「今までの帝王をごらんください。国が危殆に瀕したときは、すぐれた人材を登用し、その意見によく耳を傾けますが、国の基盤が固まってしまえば、必ず心にゆるみが生じます。そうなると、臣下もわが身第一に心得て、君主に過ちがあっても、あえて諌めようとしません。こうして国勢は日ごとに下降線をたどり、ついには滅亡にいたるのです。」
企業経営においても、同じことだ。業績が好調なときに、気持ちをゆるめないで、不況時に対する対策を用意しておかなければならない。
順風満帆より波瀾万丈
順風満帆:順風(追い風)を帆いっぱいにはらむこと。 転じて物事がすべて順調に運ぶこと。 ことが非常にうまく進むこと。
波瀾万丈:変化が激しく劇的であること。
とあるが、人生において順風満帆に物事が進むことがないということが昔から示されています。そして、物事がうまく進み続けることがないということも指摘されています。
ソニーを立て直した平井一夫氏も、業績が改善すると役職を退任し次の世代に会社を託したということも記述されていました。
やはり、物事が上手くいっているときにこそ危機感をもって次のステージに進まなければならないと思います。
私も仕事においてもサッカーにおいても、物事がうまくいっているときは時間も忘れて楽しい感情を抱くことができます。しかし、そういった時にこそさらにカイゼンを求めて学び行動を起こさなければならないと思います。
そのためにも学び
物事がうまくいっている時というのは、自分が知り得る範囲の中でしかありません。人間は誰も未来を知る事ができません。世界規模で自分が取り組んでいることにどのような価値があるのか、そして世界はどのようなレベルで行われているのか。そして、過去にどのような変化があり未来にどのような変化が予想されるのか。
温故知新の精神で、常に学び続ける精神で、現在取り組んでいる事柄のフレームを広げる必要があり、内容を常にブラッシュアップする必要があります。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。