中国古典〜1日1言〜:5/14
5/14
事を慮ること深遠なれば、則ち迂に近し
-慮事深遠、則近於迂矣-
「宋名臣言行録」
事を慮ること深遠なれば、則ち迂に近し
「念には念を入れて考え、慎重に対処すればするほど『迂』に近くなるというのだ。」
迂:もともとの意味は遠回り。そこから、まだるっこいとか非実際的という意味が生まれてきた。迂闊とか迂遠というのがそれである。
しかし、これはけなしたことばではない。
周到に考えをめぐらしながら、機敏な対応ができれば、それがもっとも理想的なのかもしれない。しかし、「迂に近し」というのは大人の風格にも通じる面があるから、いちがいに否定はできないのである。
念には念を入れる
「たいせつなことは、過ちがおきないように十分に注意したうえにもさらに注意し確認せよ。」という意味だが、取り組む前に失敗をしないように準備をすることである。
未来を予想し、現在取り組めることに全力で取り組むということが大切であると考えさせられます。そして、そういった経験を積み重ねていくことが”未来を考える力“が身につくと思います。
日本には退職金制度を採用している会社が多いようですが、アメリカは競争社会であり退職金が設けられていない会社が多いと聞いたことがあります。
スポーツを通して、将来を考えて現在を行動していく能力が養われると思います。そして人間社会で生きていくうえで他社比較は必須です。何を比較するかにもよりますし、何を判定基準にするかにもよりますが、未来を予測する力、そしてそこから逆算して日々を行動していくことが大切な事だと思います。
理想的なもの
周到に考えを巡らしながら、機敏な対応ができれば、たしかに理想的なのかもしれません。そのためには、“機敏な対応”が大切になってくると思います。
念には念を入れて、失敗をふせぐためにさまざな予想をしておくことが機敏な対応をとるための一つの手段かもしれません。
大人になればなるほど、経験と知識が大切になってきます。指導者などは、修養を続けて知識を磨き、現場経験を通して知識を検証していくことが大切だと思います。
監督やコーチをしていると、自身の経験に頼りがちになりますが、自身の経験だけではなく知識を磨きつづけることがより指導力が磨かれていくと思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。