中国古典〜1日1言〜:4/12

4/12
すでに明かつ哲、以ってその身を保つ
-既明且哲、以保其身-
「中庸」
すでに明かつ哲、以ってその身を保つ
ここから「明哲保身」という成語が生まれた。
明哲保身:聡明で道理に通じていて、物事を的確に処理し、安全に身を保つこと。
「保身」ということばは、あまりいい意味では使われなくなった。(中略)しかし、もともとは悪い意味を持ったことばではない。生きにくい世の中を無事に生き抜くこと、それが「身を保つ」であり「保身」であった。
「無事これ名馬」といったようなもので、考えようによっては、これほどむずかしいことはないかもしれない。
そのむずかしいことを可能にするには何が必要かと言えば、「明」と「哲」である。「明」も「哲」も同じような意味で、事理に明るく、読みの深いことをいう。
事理に明るく
「事」とは、この現実の世界の種々さまざまな存在や諸現象を「事」という。
「理」とは、その相対的な存在や諸現象に遍在する絶対的な真理を「理」という。
物事に対する考えをもち、その事象に明るく対応できる人間性が大切であるとあらためて考えさせられます。聡明な対応が求められる場面は大人になればなるほど多いかもしれません。(また、自分がまわりにから聡明な対応を期待されていると勘違いをするケースもあるかもしれませんが…)
この「明るく」という言葉には、包み隠さず怪しい部分がないことも指されると思います。隠蔽のない人間性というのは、最低限のモラルだと私は思います。
読みの深い
この「読み」というのは、守屋氏がまとめた中国古典にはよくでてくるワードだと思います。読みの能力を高めるためには、知識と経験が必要です。その両方どちらが欠けていてもダメだと私は考えています。
そして、事柄に取り組む前に、どのような結果がでるか予測することも重要です。その予測と結果にどのような乖離があるかを検証することで予測能力が高まると思います。
その予測に関わってくるのが知識です。現代社会や歴史を学び、世の中の情勢を理解することが人間心理を理解するうえでも大切な概念だと思います。こういったことからも読書が大切な所以の一つだと思います。
明哲保身を高い次元でおこなっていくことが、事業を大成させるうえでも大切なことだと思います。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。