中国古典〜1日1言〜:3/18

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士は己を知る者のために死す
-士為知己者死-
「戦国策」
士は己を知る者のために死す
「立派な人間は、自分の真価を知って待遇してくれる人のためなら、命をなげうって尽くすものだ、ということ。」(引用:コトバンク)
春秋時代の末期、予譲という男が晋の重臣の知伯に仕えて重用された。やがてその知伯が敵に滅ぼされる。この時、予譲は山中に逃れ、「ああ、士は己を知る者のために死し、女は己を愛する者のために化粧する。主君の怨みは必ず晴らすぞ」といって復讐を誓った。
この説話は、部下の心情を理解し、それを態度で示すことが相手のやる気を引き出すカギになる事を教えているように思う。
尊敬する先輩に出会えること
この言葉のように考えられる先輩に出会えることができたら、幸せだろうと思います。私はそこまで厳しい先輩に出会った事はありませんが、常に体験をさせてくれた先輩がいました。社会人一年目で出会った上司ですが、その上司は私の拙劣な対応を見て、とりあえずやってみてと経験をさせてくれました。そして、どこがダメだったか、他の人はこういう対応をしていたなど、アドバイスをくれました。
常に部下の成長を考えて行動してくれる上司に、私は感謝をしています。
この人のためなら一生懸命仕事をしようと思えるような先輩と出会えることが人生において貴重な出会いであると思います。
相手のやる気を引き出すために
この言葉にでてくる予譲は、敵に捕まった際にこのように言っているそうだ。「他にも仕えたことは仕えたが、待遇は十人並だった。だから十人並に報いたまでだ。だが、知伯は、国士として遇してくれた。だから私も国士として報いるのだ」とあります。
相手のやる気を引き出すためには、それ相応の待遇が必要であることが考えさせられます。この時代は生きるか死ぬかの狭間で戦っているため、このような待遇によって仕え方を変えていたのかもしれません。
現代においては、死と隣り合わせの仕事はあまり多くありません。現代においては、やはり尊敬できる先輩の存在が大きいと思います。尊敬するキッカケは、先輩の能力や言動などにより魅力を感じるかどうかだと私は思います。
指導者としても、選手のやる気を引き出すためにはレギュラーというポジションの待遇だけでは不十分です。かえってそれだと甘えがでてしまいます。
やはり、指導者が尊敬させるべき存在かどうかが大きいと思います。小学生年代では子供に手本を見せられる能力が必要だと思います。中学・高校年代になると熱量をしっかり選手に届けられる指導が必要だと思います。
時に厳しいことを言っても、それが選手一人一人のためであることが伝わらないといけません。コミュニケーションはその場かぎりではありません。たとえ厳しい対応をしても、次の日などでフォローができる対応力が求められると思います。
選手一人一人をしっかり見ていることが伝わる指導者であることが大切です。そういった指導者のいるチームは、統率のとれた非常に強いチームになると私は思います。

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