中国古典〜1日1言〜:5/29

5/29
君子は言に訥にして、行いに敏ならんことを欲す
-君子欲訥於言而敏於行-
「論語」
君子は言に訥にして、行いに敏ならんことを欲す
「君子は弁舌がさわやかであるよりも、実践において勇敢でありたい」
「口先よりも実行を」
われわれ日本人は伝統的に自己主張を苦手とする。事を荒立てるよりも、泣き寝入りする傾向が強かった。だから、われわれはむしろもっと弁を磨いたほうがよいのかもしれない。
主張すべきときには大いにまくし立てなければならないが、普段は寡黙に徹したほうがよいだろう。
自己主張
年齢を重ねるごとに自己主張する人物が減ってくる印象がある。スポーツにおいては小学校低学年は自己主張がよくおこなわれている印象です。科学的にみると大脳皮質の未発達で抑制が効かないのかもしれません。その分、原始的な考え方や行動をとりやすい時期かもしれません。
しかし、小学校低学年までは「口先より実行」が多くとられているようにも思います(結果はともあれ)。要は、言った事をやろうとする姿勢があります。
それを寛容にうけとめる大人が、まわりに大勢いることが健やかに心と身体が成長する礎となるのかもしれません。
大人は子供のおもちゃではありません。言葉でいったことを「どうせできもしないのに」とはじめから結果を決めつけて接するのは良くありません。子供の時には失敗や間違いを多くとらせることが大切だと思います。
失敗とは、負けて失う
間違いとは、間を違える
子供の時には失うものなどありません。間違いは英語ではエラーやミステイクなどと訳されると思います。失敗と同じ尺度ではないと私は思います。
そういった間違いに対する文化が、自己主張を弱くさせている一つの要因なのかもしれません。
自己主張
もう一つ大切なことは、知識があるかどうかです。自分の知識や技術に自信を持っていれば、自然と大きな言動が起きやすくなると思います。
子供も大人も、人間は学び続けなければならない生き物だと思います。動物は生きるために食糧を得てますが、大脳皮質が発達した日本は生き残るためには知性を磨かなければなりません。
文化と教育。この二つに対する価値観を再度改めなければ、同じような考え方を持つ日本人が多く存在してしまうのかもしれません。多様性が大切とされている昨今、やはりいろいろな考え方を持った人たちが社会のために行動を起こしていくことが、強い日本をつなげていくために大切なことだと思います。

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