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脳梗塞になったら確認する事

谷本一真
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〜理学療法士からみた脳梗塞〜

私が脳梗塞患者様を担当していた時に、カルテ上から確認するポイントをまとめてみました。

疾患の事(病名、重症度)

・脳梗塞のタイプは?

・どのような経緯で発症したか?

・手術はしているか?

・どの程度の重症度か?

・リハビリを進める上でどのようなリスクがあるか?

うさぎ

発症してから4時間以内に救急搬送された場合、tPAという手術が適応されます。

どのような人間か?

・身長、体重、年齢などの基本的情報

・家族構成、仕事など社会的情報

うさぎ

対人間の仕事なので、どのような人間か?
という事は退院支援やコミュニケーションの場においてとても重要な情報です。

以下に、要点をまとめてリハビリ経験をもとにまとめてみます。

理学療法士が初回リハビリ前に確認している事

リハビリ難易度予想

理学療法士で脳梗塞の患者様をリハビリする場合に、事前評価をするポイントがあります。

初回リハビリ前に確認する事
  1. どこの血管が詰まったのか?
  2. 梗塞巣の範囲はどの程度か?
  3. 身長と体重はどのぐらいか?
  4. 年齢

どこの血管が梗塞(詰まる)するかによって、症状に違いがあります。

基本的な情報(身長、体重、年齢など)はどの患者様をリハビリする時にも確認するポイントです。それによって難易度が変わってきます。

社会的背景(家族構成や介護力など)によって、転院先が変わる場合がありあす。

どこの血管が詰まったか?〜私がMRIをみてたときの視点〜

以下、僕が脳検査を受けた時のデータを基に、MRIをみるポイントを大まかに説明します。

僕は一度、頭痛がひどくて嘔吐をしたことがあります。

隠れ脳梗塞や血管奇形が心配で、それを否定したくて検査を受けました。

MRA

血管の状態がわかります。

どこの血管が詰まっているか評価します。

DWI

どこに梗塞巣があるか?

これは新規梗塞巣の有無を評価します。

FLAIR

過去に脳梗塞が起きていたかを評価します。

その他にも画像評価は行いますが、とりあえずこの3つはマストです。

自分の健康管理(検査)情報も、別ブログでアップします。

どこの血管が詰まるかによって、症状が変わる

「脳梗塞になった」といっても、どこの血管が詰まったかによって出現する症状が変わってきます。

脳の血管には太い大きな血管が3つあります

前大脳動脈が詰まると、下肢の麻痺が出るとされています。

また、前頭葉という部分を栄養している血管でもあります。

この前頭葉というのは、「人間らしさ」に関わってきます。

意欲や抑制能力などです。

ただ、臨床で出会う事は比較的少ない症例です。

ですが僕が臨床で出会ったきれいに前大脳動脈が詰まった40代男性の患者様がいました。

その方は、急性期は1人で歩く事ができなかったです。また、家族様にあたったりとメンタル的にも不安定な時期もありました。

ですが、1年後にはスタスタと歩けるようになっていました!また夫婦で笑顔でリハ室に来られた時は、僕たちリハスタッフもとても嬉しい気持ちになりました。

また僕の祖父は、脳挫傷で右側前頭葉を殆ど除去しました。

人格が180度変わってしまい、家族共々色々な思い、感情の変化がありました。この話も今後別の機会に…

中大脳動脈領域の梗塞は、運動麻痺が出現しやすいです。

運動神経の束が通っている所を栄養している血管が詰まると、運動神経の麻痺が出現します。

高齢者がこの血管を詰まると、ちょっとやっかいですね。

さらに内頸動脈という太い血管が詰まると、梗塞巣が広範囲になってしまいます。

僕が今まで経験した内頸動脈が梗塞した患者様の予後は、良くありませんでした。

後大脳動脈の梗塞は、運動麻痺は出現する可能性は低いです。

視野障害によって、移動場面で物に当たったり、見落としをしたりとストレスを感じていました。

身長と体重の重要性

あと、リハビリをする上で身長と体重はかなり重要です!

僕が今まで経験した中で、大変だった人は

「40代男性、体重100kg、重度の麻痺」

そういう場合は2人で介助しながら、理学療法を行う事もありました。

いうまでもなく、体重管理をしておく事は、様々な場面で良い影響を与えます!

未病の段階から、生活習慣改善に取り組む事は医療費削減し、医療現場の負担を軽減することにもつながります。

「運動を行う場所を提供し、予防医学と適切な運動習慣の普及」

これらを宇和島で行なっていきたいと思った事が、ロコモK.Oに転勤した1つの理由です。

年齢

年齢は、若いほど回復力がはやいです。

どのような疾患でもそれは当てはまるのではないかと思います。

逆に高齢者になってくると、低体力や心理的な影響によりなかなかリハビリが進みにくい事があり大変でした。

脳梗塞の分類

  • ラクナ型脳梗塞
  • アテローム型脳梗塞
  • 心原性脳梗塞

おもにこの3つの主病型に分類されます。

ラクナ型が、機能予後としては良好です。

アテローム型は粥腫といって、LDLコレステロールが高くなり動脈硬化が原因で脳梗塞となるとされています。

心原性は、心房細動により血栓が心臓で形成されやすくなります。その血栓が脳に詰まると脳梗塞となります。

急性期脳梗塞のリスク管理

BAD(Branch atheromatous disease):分枝粥腫病という病名が脳梗塞の分類の中にあります。

これは進行性脳梗塞となりやすいとされています。

うさぎ

このBAD患者様と遭遇した事はなんどもありますが、機能予後はあまり良くない印象があります。

僕が経験して多かったBAD患者様の特徴としては、60〜70代で脳梗塞を発症された方々です。

予測因子として

  • 梗塞巣が15mm以上
  • 穿通枝起始部(詰まる血管の場所)

などがあります。

発症翌日より、リハビリが開始となる場合が多いです。

脳梗塞の初回リハビリでは、各姿勢や動作前後で血圧変動をみます。

起き上がった時に急激に血圧が下がる人は、注意が必要でした。

トイレに自由に行けない事が、ストレスを生じる
うさぎ

点滴をしているので、どうしてもトイレ回数が多くなります。

軽度の麻痺が出現し、動きにくい状態でさらに点滴ルートが引っかからないように気をつけないといけません。

トイレに行くことが、できなくなる、制限される(転倒リスクがあるため)事は、ストレスとなりますよね。

オムツの中に排尿をするというのも、ストレスだと思います…

こういったストレスも、血圧を高めたりする要因の1つとなります。

BADの場合、症状が悪化します。

前日は座れていたのに…

翌日は座れなくなった。

ろれつが回りにくくなった。

意識がもうろうとしている。

家族様からすると少しショックな出来事となります。

BADは、初発がラクナ梗塞と似ている場合があります。

ラクナ梗塞でも、BADの可能性がある場合は、急性期では症状の増悪がないか注意して経過をみる必要があります。

急性期1〜2週間は、症状が強くでやすい時期でもあります

脳浮腫といって、ペナンプラが症状を強くする場合があります。

脳梗塞は初期対応が大切です。

脳梗塞とわかったらなるべく早く、脳保護剤を投与する事が大切です。

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初期対応が遅れると、軽症な場合でも麻痺が残る場合があります。

何らかの理由で、すぐに病院へ行けなかったという患者様もいられました。(愛人の家にいて、朝起きたら手足が動きにくい状態になっていたなど)

ラクナ梗塞など、比較的軽症な方でも程度によっては1〜2週間は頭がモヤモヤしている感じがしているという訴えが多かったです。

中等度の症状の人も、1〜2週間経過すると頭がスッキリしてきたという訴えが多かったです。

脳梗塞予防に大切な事

10年間、脳卒中の患者様のリハビリを行っていく中で、このような方は脳卒中になりやすい、なりにくいという感覚があります。僕の独断と偏見でそれを述べていきます。

脳卒中になりやすい人の特徴
  • 肥満
  • 生活習慣(食生活、睡眠生活、運動習慣)の乱れ
  • ストレス
  • 不整脈

普段の生活で、これらの項目に該当する場合は改善するに越したことはないと思います!

食生活や有酸素運動を行うことによって、血栓ができる可能性を少なくする事ができます。

脳梗塞を予防するために、できる事は沢山あります。

60〜70代で、脳梗塞となった方々のリハビリを経験していると、「なぜこのような良い人が脳梗塞になってしまったのか」と憤りを感じる事も沢山ありました。

脳卒中は、わが国において年間124万人の罹患患者があり、死因の第4位(12.2万人)を占めている。

坂口学:Diabetes Frontier Vol.26 No.4 2015-8

という報告もあります。

脳卒中を予防するため、身の回りの取り組める事から、少しずつ取り組む事がご自身やご家族を守るためにも大切な事であると考えています。

最後に

脳梗塞となった場合、私が確認していた事や体験談を述べました。

脳梗塞といっても、様々なタイプがあります。

また、急激な食生活の変化やライフスタイルの変化(運動機会の減少)など文明病とも捉える事ができます。

人との交流を大切にし、適度な運動と食事管理が予防には1番です。

また、脳梗塞や脳出血になると半側空間無視や同名半盲、運動失行や運動失認など、様々な症状が出現します。

そういった事も、今後は体験談をまじえてブログにまとめていけたらと思います。

ABOUT ME
谷本一真
谷本一真
理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、PRP-Japan
PRIコンセプトを基に、障害の予防とパフォーマンスの向上を目的としたコンディショニングをおこなっています。また、サッカー指導者としても活動しており、特に小学生に対する指導を行っています。 運動や習慣改善によって健康を支援することに情熱を注いでおり、各個人のニーズに合わせたプログラムを設計しています。興味がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。詳細は直接やりとりの中でお伝えいたします。
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