中国古典〜1日1言〜:6/1
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往く者は追わず、来る者は拒まず
-往者不追、来者不拒-
「孟子」
往く者は追わず、来る者は拒まず
去って行く者は去るにまかせて後を追わない、来る者はどんな相手でも拒まずに受け入れる。こだわりのない自由闊達な人間関係を語ったことば。
孟子が滕の国を訪れて迎賓館に宿泊したときのこと。館の役人がつくりかけのわらじを窓際に置いておいたところ何者かに盗まれてしまった。役人が孟子に向かって、「あなたのお伴の方もやりますな」と皮肉を言ったところ、孟子はこう答えたという。
「連中がわらじを盗むために、わたしについてきたとでも言うのですか。あるいはまあ、そうかもしれません。わたしは弟子をとるとき、“往く者は追わず、来たる者は拒まず”で、学ぶ意思さえあれば誰でも弟子にしているものですか」
こういう境地に達すれば、人生もいちだんと味わい深くなるかもしれない。
往く者
往く(行く)にも、“うまくはかどる“や“満足する”、“納得する”などといった意味もふくまれています。往く者は未来に向かって行動をおこす人だと思います。そういった“行動を起こす”ことは、未来に向けて自分の行動を納得させるために必要なことだと思います。
やはり、今いる環境に満足をせず常に複数の選択肢を持ちながら良い準備をして行動を起こしていくことは人生を豊かにするために必要なことであり、君子となるために必要なことではないかと改めて思います。
小さなことにこだわらない
孟子のこういった姿勢から、寛容さの大切さを痛感します。小さなことにこだわっていては大きなことに目をむけつことができないと思います。我々は世界、社会、歴史など大局的な視点で物事を見て行く必要があります。戦後教育において戦前の日本の歴史が正しく伝わっているか疑問をいだきます。
孟子や孔子、三国志の英雄達など、過去の偉人について正しく伝えられていることはもちろん大切です。ですが、近代史においても優秀な人物が多くいるはずです。そういった近代史の偉人という面では、日本も中国も正しく伝えられていないように思います。
例えば高橋是清。経済政策においてデフレ対策として国の舵をとっていたとされています。そういった素晴らしい人物をもっと正しく教育で伝えるべきです。
日本、アジア人としてもっと誇りをもって生きていくことは大切であると思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。