中国古典〜1日1言〜:5/20
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運用の妙は一心に存す
-運用之妙存乎一心-
「十八史略」
運用の妙は一心に存す
南宋の時代に岳飛という将軍がいた。「救国の英雄」と仰がれている人物である。上役が岳飛に布陣の図を与えた。これに対して岳飛がこう答えている。
「陣して後戦うは兵法の常なり。運用の妙は一心に存す」
兵法の定石はもちろん必要だが、それよりも肝心なのはむしろ臨機応変の運用だという意味である。
これは企業経営にも、そっくり当てはまるかもしれない。
布陣がまず大切
物事に取り組むために、まず“形から入る”という人もいるかもしれません。布陣とは「大勢をととのえる」という意味もあります。
”大勢“には「物事の一般的な傾向。大体の状況。大きな権力。」などの意味が含まれています。
布陣をしっかり形成するとは、表面的な形だけを取り繕うだけではありません。しっかり物事の傾向や状況など俯瞰して捉える能力が大切になってきます。
そのためにも情報収集能力と情報処理能力が大切になってきます。現在の日本人は”海外の人が言っていることは正しい“とか”TVで言っていることが正しい“など、情報を鵜呑みにしてしまう傾向があります。それは学校教育による服従型教育による弊害だと私は思います。
知識の幅と言語スキルが臨機応変の対応を生み出す
少年サッカーの現場において、私は必ず選手に感想を聞くようにしています。“How
”で質問をすると答えられない選手が多いため、“何を頑張った?”“相手の上手い選手は?だれ?”などと答えやすい質問をするようにしています。試合中に頑張る選手や上手い選手は言葉がすぐに出てきます。逆に試合中に頑張れない選手などは言葉を扱う能力に欠けています。
自分の気持ちを言葉にすることができる選手というのは、知識を広げようとしたり知識を吸収しようとしたりと、自己研鑽に必要な感情を持っていると私は思います。
そして、感情が伴っていればどのような状況でも目的を達成するために強い感情のベクトルが発生します。私は、物事が成功するかどうかは、“何を選択したか?”ではなく、“選択肢を成功するためにどれだけ努力をしたか?”ということが大切になってくると思います。
物事がうまくいかなかったときに「あっちにしとけばよかった」という感情を抱く人がいるかもしれません。しかし、それは選択した判断を成功させるための努力が足りなかったにすぎないと私は思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。