中国古典〜1日1言〜:3/8
谷本一真
taniblog
天下に忌諱多くして、民いよいよ貧し
-天下多忌諱、而民彌貧-
「老子」
天下に忌諱多くして、民いよいよ貧し
あれもダメ、これもダメと、禁令のたぐいがふえればふえるほど、人民の生活はいよいよ貧しくなるのだという。
管理や締めつけをきびしくすれば、社会全体が息苦しくなり、人々の創造性も社会の活力も失われてしまう。その結果、生活水準も思うように向上しない。これは、一部社会主義国の現実を見れば、肯ける面が少なくない。
「老子」の主張を野球にたとえれば、管理野球がこれに近いかもしれない。チーム・プレーを重視し、一人ひとりの私生活にまで干渉するので、選手の個性を殺してしまう。だから、管理野球は、見て面白くない。
子供などは、親の教育が抑圧的すぎると個性が失われるのかもしれない。それはチームにおける指導者にもいえることです。しかし、放任主義だとチームや組織に属した時にガバナンスがとれなくなります。
教育で大切なことは、知識を与えることだと思います。その知識をどのように活用するかは個人の自由です。そのためには、学びの重要性を認識しなければなりません。「自ら考えて行動する」というありきたりな言葉ではなく、「どのようなことに疑問をもつか」というクエッションが大切です。
「これを学べ、あれを学べ」など学ぶことを教育者が決めるばかりだと、この言葉のいうように個性がなくなってしまいます。大切なことは「感性を磨く」ことだと思います。
内心から湧き上がってくる感情を大切にし、そこから生じた疑問を解決していく、解決策を実行して検証していく、といったプロセスをふむことが個性を磨くために大切なことだと思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。