中国古典〜1日1言〜:5/3
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人を存るものは眸子より良きはなし
-存乎人者、莫良於眸子-
「孟子」
人を存るものは眸子より良きはなし
相手の人物を判断するいちばんよい方法は、相手の眼を観察することだという。
俗に「眼は心の窓」という。心が濁っていれば眼も濁るし、心が曲がっていれば、おのずからそれが眼に現れようというものだ。孟子の語ることにも大いに理由がある。
しかし、眼だけで人を判断するのはいささか頼りない感じがしないでもない。
だから孟子もわざわざ「その言を聴きて」という一句を付け加えたのであろう。つまり、眼を観察すると同時に、相手の語ることを聞いて判断すれば、まずまちがいはないというものだ。
目を見て言葉を聞く
子供たちをみていると、この言葉の信憑性を痛感します。まっすぐにこちらを見てくれる子供たちの心は、真っ直ぐです。特に少年期前半は、純粋な心をしています。
しかし、少年期後半になってくると思春期といわれる時期になり、心と身体のギャップが生じて心が曲がってしまう時期でもあります。
対面する人物が、どのような人間であるかを見るのに「目を見る」というのは大切になってきます。
本当に素直な子供たちは、目がキラキラしています。
喧嘩をした時などは、目を合わさない
衝突した時に、人間が共通していることとして「目を合わさない」という行動をとる人物が多いのではないでしょうか。
「眼は心の窓」とありますが、心を通わすためには目を見ることが非常に重要だと思います。挨拶にしても、対話にしても、しっかり目を見て言葉を交わすことは、心を通わすために大切な行動だと学ばされます。
弱みを見せない
「ヴァルネラビリティ:(もろさや傷つく可能性のある状態)」という言葉があります。心が素直ではない人は、こういった状態を恐れてしまうことがあります。そういった状態を恥ずかしいと感じ、自分の生身をさらすことをしないのです。
なので、目を見る行為をしなくなります。自分が優位の時には目を合わせないのです。
目を合わせない人は、自分の弱さを見せようとしません。自分のどこがどのようにもろいのかを認識しようとしません。向き合おうとしません。
そういった人物は、自己肯定感に欠けてしまい挑戦する意欲を失ってしまいます。
弱みを見せないということのないように、自分の弱さとしっかり向き合い、傷つく感情とも向き合いながら成長を重ねていきたいものです。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。