中国古典〜1日1言〜:4/30
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敖は長ずべからず、欲は従にすべからず
-傲不可長、欲不可従-
「礼記」
敖は長ずべからず、欲は従にすべからず
「傲」とは、傲慢である。自分の能力や地位を鼻にかけて人を見下すことだ。まずそういう気持ちがあり、それがおのずから表情や態度に現われる。
これと似たものに「誇り」がある。自尊心、プライドだ。こちらのほうは、人間としてむしろあったほうがよい。しかし、それがいびつな形をとって発現すると「敖」になってしまう。
誰でも気を許すと、むくむくと「敖」が頭をもたげてくる。そうならないためには、普段から注意して押さえつけておかなければならない。
「欲」についても同じことが言える。人間に欲望があることによって社会は進歩してきた。そういう意味では、むしろ積極的に評価されなければならない。
だが、無制限な欲望の追求は、はた迷惑だ。こちらの幸せが相手に不幸をもたらすようでは、幸せも長続きしない。ホドを知らないと、身をあやまることになろう。
自信と過信
「自信は持ってよいが、過信はしない」という言葉は、私もよく使います。
自信が持てるということは、それ相応の準備ができているということです。
過信をしてしまうということは、相手の実力を見誤っているということです。
似た言葉ですが、背景は全く違うと私は思っています。自信が持てるように、日々精進する必要があります。「何事も準備が大切」これは、自信をつけるための言葉でもあると私は考えています。
傲りと誇り
ここでは、傲りとは相手を見下すことと説明されています。
人を見下しているかどうかは、人から指摘されないと気付かされないことが多いと思います。自分の態度を客観的に指摘してくれる存在が大切です。そうなりうるのが家族や指導者です。
ここでは、誇りとは自尊心、プライドと述べられています。
自信を持つことができれば、そこには自尊心が生まれます。自分で自分を認めてあげることができるからです。それは、結果が伴えばさらに自尊心を高めることができます。そのためにも、できる限りの準備をしたうえで行動を起こすことが大切です。
似て非なる言葉
自分がこれらのどちら側の人物なのか、地に足をつけて自己評価することを定期的におこなっていくことが大切だと思います。
どちらに転ぶかは、紙一重です。そのために、素晴らしい出会いが必要だと思います。それは人物でもあり書物でもあります。双方から刺激をうけて、自信を持ち誇りをもてるような生き方をしたいものです。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。