中国古典〜1日1言〜:6/9
6/9
陰徳ある者は必ず陽報あり
-有陰徳者必有陽報-
「淮南子」
陰徳ある者は必ず陽報あり
陰徳:人に知られない善行
陽報:はっきりそれとわかるようなお返しである。
「陰徳は耳鳴りの猶し」ということばがある。
耳鳴りというのは、ご承知のように、自分だけにわかって、人にはわからない。「陰徳」もそのようなものだというのである。
そういう「陰徳」を積んだ者には必ず「陽報」があるのだという。
では、誰がお返しをするのかと言えば、天である。人の知らないことでも、天だけはちゃんと見ていてくれる。だから天がお返しをしてくれるにちがいない、と中国人は信じてきた。
これを信じるかどうかは、本人の心の問題であろう。ただし、たんに「陰徳」を積めとお説教するのではなく、それを「陽報」と結びつけたところが、中国人らしい言えば言えるかもしれない。
小学年代にこそ、こういった精神を身につけてほしい
サッカーに限らず、スポーツにおいては常々結果がともなってきます。そういった結果をどのように受け止めるかという視点を広げるのに役立つ言葉だと思っています。スポーツ以外の事柄でも、この言葉は当てはまると思います。
勝利要因や成功要因というのは、複数存在すると思います。「〇〇を頑張ったから、物事がうまくいった」という成功体験は大切です。しかし、物事がうまく運ぶ時には、心に余裕が存在していると私は思います。
心に余裕がある時というのは、自分を客観的にみることができる精神状態だと私は思います。
“物事がうまくいったから心に余裕ができる”ではなく、“心に余裕ができるように、自己肯定感を高める”という姿勢が大切だと思います。
自己肯定感についていえば、こういった「陰徳」が高めてくれるのではないかと私は思います。そういった姿勢を親がみせていなければ、日本人としての良心的な魂がどんどん衰退していってしまうと私は危惧してしまいます。
大人が陰徳を積み重ねる
「子供に〇〇してほしい」という要求は、親なら思うことがあると思います。しかし、要求をされる側からすると、要求する側の人間性を自然をみると思います。「あの人に言われたら、頑張ろう」「あの人に言われる筋合いはない」など。
ここで陰徳について考える時に、成功要因を他者に向けるのではなく自分に向けるということです。
そして、人間は支え合いながら社会を生きていく動物だと思います。そういった利他精神を持つことを教える教育が軽薄になってきているのではないでしょうか。
私を含めた大人が、利他精神を持ち社会活動をおこなってくことが、より良い世の中を、より良い日本をつくっていくための姿勢だと思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。