中国古典〜1日1言〜:1/21
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卑譲は徳の基なり
-卑譲徳之基也-
「左伝」
卑譲は徳の基なり
卑:自分のことをへりくだっていうことば
譲:自分をあとにして人を先にする
徳:本性の良心をみがきあげたすぐれた人格
わかりやすく言えば、「卑譲」イコール謙虚と言ってよいかもしれない。これが徳の基本なのだという。
謙虚に物事に取り組む
謙虚に物事に取り組むことは大切です。
完璧な人間なんて、この世に存在しない。私はそう思っています。
自分が成し遂げてきたことには、自信を持って良い。しかし、それが全ての事柄に通用するとは限りません。
世の中には、大なり小なり自分自身が成し遂げてきたことに対してプライドをもち、卑譲を持ち合わせていない人もいます。そのような人は、案外能力が高くなかったりします。
メジャーリーガーの大谷翔平は、この人徳にすぐれた人物だと思っています。自分を主張しつつ、貪欲に能力を高めるために様々なことにとりくんでいます。野球以外に、フィジカルトレーニングや栄養学、リカバリー方法、コミュニケーション能力など。「野球が上手くなるために、やれることはなんでもやる」という姿勢はすごく大切だと思います。
スポーツの場面での卑譲
少年スポーツの場面で、プロスポーツ選手の態度を真似する選手がいます。例えば、試合中に相手にファールをしても相手に誤らなかったり。
また、わざとファールをもらう(ダイビング)プレーは、少年期には”まだ早い“と考えています。
私は、すくなくとも小学生年代は精神堂々とプレーしてもらいたい。
トップアスリートも、人間性の重要性を語っています。
試合中は、卑譲ではなく“大胆”にプレーをすることが大切です。
そして、試合前後は卑譲に振る舞うことが大切です。
一人一人がモラルのあるチームは、強い。
スポーツでは本能を鍛える
スポーツを通して、「喜怒哀楽」の全てを感じる事ができます。
プレー場面では、卑譲にプレーはしなくて良いと考えている。謙虚に振る舞ってはチームを勝利に導くことはできません。
「勝ちたい」「こいつには負けたくない」「悔しい」「嬉しい」「楽しい」と本能的に感じる感情を大切にプレーすることです。
小学校高学年や中学・高校になると、自分の本能を制御するようになる。しかし、スポーツ場面では本能に従って感情を表現することができます。
だからスポーツは素晴らしい。
ラグビーの元日本代表選手、元日本代表監督である平尾誠二氏はこのようなことを語っています。
「公私混同が組織を強くする」これは、一般的な意味での公私混同ではなく、公のことを自分のことのように真剣に考えるという意味です。
個人がチームのことを自分のことのように考えていなければ、チームは良くならない。ラグビーでも、いいチームは一軍の選手から控えの人間まで非常に意識が高いですよ。
その原点は自発性にあるんです。
藤尾秀昭 1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書 致知出版社
「チームのことを自分のことのように真剣に考える」ということが、卑譲のはじまりではないかと思います。
これは、「譲」に当てはめることができます。チームのことを優先して考えることが、自分のことを考えることにもなっています。
そういった姿勢が、人徳を磨くために必要なことだと思います。チームのことや家族のことを自分自身のことのように考え、努力していく姿勢をみにつけることが大切です。
一人一人が与えられた環境で、自分ができる最大限のことを行う。
試合以外では卑譲に振る舞う姿勢が大切です。その一つがチームのために行動すること。そしてチームを自分のことのように考えること。それが人間性を高め、なおチーム力を高めるために必要な姿勢だと思います。
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