中国古典

中国古典〜1日1言〜:4/11

谷本一真

4/1

暴虎馮河、死して悔いなき者は、吾共にせず

-暴虎馮河、死而無悔者、吾不与也-

「論語」

暴虎馮河、死して悔いなき者は、吾共にせず

暴虎馮河ぼうこひょうが:血気にはやって向こう見ずなことをすること。無謀な行為。

 

孔子が子路という血の気の多い人物に「もし先生が大国の総司令官に任命された場合、頼りにされるのはどんな部下ですか」とたずねた時に答えた孔子の言葉。

「素手で虎に立ち向かったり、歩いて黄河を渡るたぐいの命知らずはごめんだね。むしろ臆病なぐらい注意深く、成功率の高い周到綿密な計画を立てる人間のほうが頼りになるよ」

「暴虎馮河」の手合いを敬遠したくなるのは、孔子だけではあるまい。上の者から見た場合、安心して仕事を任せられるのは、やはり思慮深く、慎重な人物であるにちがいない。

 

失敗体験を若いうちにしておく

暴虎馮河が人物に、誰でもなる可能性があるのかもしれません。私は最近、”知性がないと理性を保てない”のではないか?と思うようになりました。

知性:事柄を概念によって思考したり認識したりする悟性的な能力。
悟性:論理的な思考を行う能力・知力をさしていう語。

そして、この知性は磨き続けないと次第に劣化してしまう恐れがあると私は感じています。少しの期間、読書に割く時間を作れない時期がありました。そういった時期というのは、世の中の情報をよみとる視点が一方向になりがちになると感じました。

俯瞰して物事を捉えて、あらゆる角度から思考し知恵にする能力が情報リテラシーを高めるために必要なことだと思っています。

最近の若い人は読書をする習慣が減っていると思います。かくいう私も学生時代は読書は多くしていませんでした。大人になって読書から得られる知識の大切さに気づいています。

一方向からの思考だけだと、猪突猛進となってしまい血の気の多い人格になるのかもしれません。

専門家の駆け出しは、怖がるほうがちょうどよい

私が理学療法士として臨床一年目の時、とにかく患者様をみることが怖い時期がありました。わからないことが多すぎたからです。疾患の原因や自然経過、病気になった方との関わりなど責任が大きすぎると感じていました。

しかし、先輩から「それぐらいがちょうど良い」と言われたことを今でも覚えています。
「わからないことをわからないままおこなうよりは、ストップして立ち止まる方が患者様のためになる」と。

そして、日々勉強して失敗体験を繰り返し(先輩にいくどもフォローしていただき)成長することができました。

慣れた環境から離れることも大切

その環境になれてしまうと、恐怖心を感じる機会が減ってしまう恐れがあります。なれた環境に身を置くことのメリットもあります。しかし、専門家であるならば、常に技術向上し恐怖心に立ち向かっていくことが大切であると思っています。

暴虎馮河にならないように、常に思慮深く言動してスキルアップを継続することがより徳のある人物に近づけると私は思っています。

守屋 洋 中国古典 一日一言 PHP文庫

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。

ABOUT ME
谷本一真
谷本一真
理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、PRP-Japan
PRIコンセプトを基に、小学生~高齢者を対象に運動療法を実施しています。 また、主に小学生を対象としたサッカー指導者としても活動しています。 PRIコンセプトに基づく運動療法を希望する方や、スポーツにおけるパフォーマンス向上に取り組みたい方、お気軽にお問合せください。
記事URLをコピーしました