宇和島市の人口は60年でどう変わったのか|10歳階級別人口から見る1965〜2020年

谷本一真
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

宇和島市の人口減少については、ニュースや行政資料などで目にする機会があります。

しかし、単に「人口が減っている」という数字だけでは、地域で実際に何が起きているのかは、なかなかイメージしにくいものです。

そこで今回は、愛媛県が公開している国勢調査のデータをもとに、宇和島市の人口を10歳ごとの年齢階級に分けて、1960年代から2020年までの変化を見てみました¹。

なお、年齢階級別の詳細な比較が可能なデータは1965年から確認できるため、この記事では1965年を「1960年代」の代表値として扱います¹。

宇和島市の人口は1965年から約42%減少

まず、宇和島市全体の人口を見てみます。

1965年の人口は122,042人でした¹。

2020年の国勢調査では70,809人となっています¹。

55年間で減少した人口は約5万1,000人。

割合にすると、約42%の減少です。

つまり、現在の人口は1965年当時の約58%まで減少したことになります。

ただし、今回注目したいのは人口の総数だけではありません。

年代別に分けてみると、宇和島市の人口構造そのものが大きく変化していることが分かります。

宇和島市の10歳階級別人口

愛媛県が公表している国勢調査の5歳階級別人口を、この記事では10歳階級にまとめました¹。

年齢1965年1970年1980年1990年2000年2010年2020年
0~9歳19,12816,34516,23512,0948,6516,1644,401
10~19歳26,35518,84314,66914,07710,2907,5665,287
20~29歳14,39514,61112,6248,8188,4615,2733,862
30~39歳18,24215,77616,15913,6109,8979,1005,643
40~49歳14,55616,20715,44615,60512,9109,3328,696
50~59歳12,31411,98715,28714,39714,81512,2799,019
60~69歳9,76410,03310,59013,90713,45313,98511,526
70~79歳5,4276,0317,2508,43711,64811,57512,133
80歳以上1,8611,8152,6384,0015,5168,9009,827

※愛媛県「国勢調査 男女、年齢(5歳階級)別人口」から10歳階級に再集計¹。年齢不詳は含めていません。

1965年、最も人口が多かったのは10代だった

1965年の宇和島市を見ると、最も人口が多かったのは10~19歳の26,355人でした¹。

0~9歳も19,128人、30~39歳も18,242人いました¹。

当時の宇和島には、子どもや若い世代が現在よりもはるかに多く暮らしていたことが分かります。

一方、80歳以上は1,861人でした¹。

2020年と比較すると、人口構成はまったく違っています。

10代は約2万6,000人から約5,300人へ

特に大きな変化が見えるのが、10~19歳です。

10~19歳の人口は、

1965年 26,355人

1970年 18,843人

1980年 14,669人

1990年 14,077人

2000年 10,290人

2010年 7,566人

2020年 5,287人

と推移しています¹。

1965年から2020年までに、約2万1,000人減少しました。

割合にすると約80%の減少です。

1965年には2万6,000人を超えていた10代が、2020年には約5,300人になっています。

学校、部活動、地域行事、商業、公共交通など、さまざまな地域活動を考えるうえでも、大きな変化だといえそうです。

0~9歳も約1万9,000人から約4,400人へ

子どもの人口も大きく減っています。

0~9歳は1965年に19,128人いましたが、2020年には4,401人となりました¹。

およそ4分の1近くまで減った計算になります。

10代だけでなく、その下の世代も減少していることから、今後も若い世代の人口が自然に回復するとは考えにくい人口構造になっていることがうかがえます。

※ここは統計から読み取れる傾向についての考察であり、将来人口そのものを予測したものではありません。

20代は2020年には3,862人

20~29歳も大きく減少しています。

1965年には14,395人、1970年には14,611人いましたが、2020年には3,862人となっています¹。

1965年と比べると約73%の減少です。

20代は、進学や就職、結婚、子育てなど人生の大きな選択が集中する世代でもあります。

そのため、20代人口の減少は、単に一つの年齢層が減ったというだけではなく、地域の労働力や出生数、地域活動など、さまざまな分野と関係している可能性があります。

一方で70代・80歳以上は増えている

若い世代とは対照的に、増加している年代があります。

70~79歳は、

1965年 5,427人
2020年 12,133人

となっています¹。

2倍以上です。

さらに80歳以上は、

1965年 1,861人
2020年 9,827人

となりました¹。

5.3倍です。

医療の進歩や平均寿命の延伸など、さまざまな要因が関係していると考えられますが、少なくとも国勢調査の数字からは、宇和島市に暮らす高齢者の絶対数が長期的に増えてきたことが確認できます。

「人口減少」だけでは見えない変化

今回の数字で私が特に印象的だったのは、1965年と2020年で「最も人口の多い年代」が大きく変わっていることです。

1965年に最も多かったのは、

10~19歳 26,355人¹

でした。

一方、2020年では、

70~79歳 12,133人¹

が最も多い10歳階級となっています。

つまり宇和島では、この半世紀余りで単に人口が減っただけではなく、

人口の中心となる年代そのものが、若い世代から高齢世代へ移ってきた

と捉えることができます。

これからの地域づくりを考えるための基礎データ

人口減少という言葉を聞くと、つい「何人減ったのか」という総人口だけに目が向きます。

しかし、今回のデータを見ると、本当に大きな変化は人口の中身にもあるのではないかと感じます。

子どもが減る。

10代、20代が減る。

一方で70代、80代以上が増える。

こうした人口構造の変化が続けば、学校、医療、介護、公共交通、商業、スポーツ、地域活動など、地域に必要とされる仕組みも変わっていくと考えられます。

だからこそ、人口減少を単に悲観的に捉えるのではなく、

「今、宇和島にはどの世代がどれくらい暮らしているのか」

を正確に知ることが、これからの地域について考える第一歩になるのではないでしょうか。

今回調べてみて、私自身も「宇和島の人口が減っている」という理解から、もう一歩踏み込んで、どの年代が、いつ頃から、どれくらい変化してきたのかを見ることの大切さを感じました。

今後は、出生数や死亡数、転入・転出なども合わせて見ると、「なぜ宇和島の人口構造がこのように変化してきたのか」をさらに深く考えることができそうです。

ABOUT ME
谷本一真
谷本一真
理学療法士、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、PRP-Japan、JFA-B級
PRI(Postural Restoration Institute)コンセプトを基に、障害予防やパフォーマンス向上を目的としたコンディショニング指導を行っています。また、小学生を中心にサッカー指導者としても活動し、子どもたちの心身の成長をサポートさせていただいています。 運動や生活習慣の改善を通じて、健康づくりのサポートに情熱を注いでいます。
記事URLをコピーしました