子どもを守るのは誰なのか? ― EUでも進むSNS規制から考える「企業・家庭・学校」の役割

谷本一真
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この記事でわかること

  • EUで進んでいるSNS規制の内容
  • なぜ世界で規制が広がっているのか
  • 企業・家庭・学校が果たすべき役割
  • スマホを禁止するのではなく「安全に使う環境」をつくる考え方

はじめに

今朝の愛媛新聞では、「EUでも子どものSNS利用に対する規制を強化する方向」という記事が掲載されていました。

オーストラリアでは16歳未満のSNS利用を制限する法律が施行され、フランスでは学校でのスマートフォン利用が原則禁止となっています¹²。

そして現在、EUでも子どものオンライン利用に対し、プラットフォーム企業へより強い責任を求める議論が進められています³。

これは「スマホを悪者にする」という話ではありません。 子どもの発達を社会全体で守ろうとする考え方が広がっていることを意味しているように感じます。

世界は「子ども」ではなく「企業」に責任を求め始めている

今回の記事で特に印象的だったのは、 利用する子どもだけではなく、サービスを提供する企業側にも責任を求めるという考え方です。

SNSは偶然人気になったわけではありません。 通知、無限スクロール、自動再生、レコメンド機能など、多くの人が長時間利用するよう設計されています⁴。

子どもはまだ判断力や自己抑制機能が発達途中です。 そのため、企業側も「子どもが安心して利用できる設計」を行う責任があるという考え方が世界で広がっています。

脳はまだ完成していない

思春期は、感情や報酬に反応する大脳辺縁系が活発になる一方、 計画を立てたり、衝動を抑えたりする前頭前野は20代半ば頃まで発達が続くと考えられています⁵⁻⁷。

つまり、

  • 「楽しい」
  • 「もっと見たい」
  • 「通知が気になる」
  • 「友達が何をしているか気になる」

という反応が起こること自体は自然なことです。 だからこそ、「本人の自己責任」だけではなく、周囲の環境づくりが重要になります。

役割は本人だけではない

私は、スマホ利用について最も重要なのは、 本人だけに責任を負わせないことだと思います。

子どもを守るためには、それぞれに役割があります。

主体役割
企業依存しにくい設計、年齢確認、安全機能の整備
学校利用ルールとデジタルリテラシー教育
家庭利用時間・場所・内容について話し合いながらルールを作る
本人リスクを理解し、年齢に応じた使い方を身につける

どれか一つだけでは十分ではありません。 それぞれが役割を果たして初めて、子どもが安全にデジタル社会と付き合えるようになるのだと思います。

スマホを禁止することが目的ではない

スマートフォンは学習にも連絡にも欠かせない便利な道具です。

問題なのは「持つこと」ではなく、 使い方を誰が支えるのかという点です。

世界では、

  • 企業は安全なサービスを提供する
  • 学校は正しい知識を教える
  • 家庭はルールをつくる
  • 本人は徐々に自己管理を学ぶ

という考え方へ少しずつ移行しています。

私が感じたこと

私は、子どもだけに「使いすぎるな」と求めることには限界があると思います。

企業は子どもが長時間利用しにくい仕組みをつくる努力を行い、 学校や家庭は年齢に応じたルールを整え、 本人もリスクを理解しながら少しずつ自己管理を学んでいく。

そのような環境づくりこそが、本当の意味で子どもを守ることにつながるのではないでしょうか。

スマホを禁止することが目的ではありません。 子どもたちの健全な成長を支えるために、社会全体で責任を分かち合うこと。 世界は、その方向へ少しずつ進み始めているように感じます。

参考文献・参考資料

  1. UNESCO. (2026) Phone bans in schools are spreading worldwide.
  2. eSafety Commissioner. (2026) Social media age restrictions.
  3. European Commission. Digital Strategy.
  4. Florida Senate. (2024) Social media use for minors.
  5. Casey BJ, Jones RM, Hare TA. (2008). The adolescent brain. Ann N Y Acad Sci. 1124:111-126.
  6. Diamond A. (2013). Executive functions. Annu Rev Psychol. 64:135-168.
  7. Best JR, Miller PH. (2010). A developmental perspective on executive function. Child Dev. 81(6):1641-1660.
ABOUT ME
谷本一真
谷本一真
理学療法士、呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、PRP-Japan、JFA-B級
PRI(Postural Restoration Institute)コンセプトを基に、障害予防やパフォーマンス向上を目的としたコンディショニング指導を行っています。また、小学生を中心にサッカー指導者としても活動し、子どもたちの心身の成長をサポートさせていただいています。 運動や生活習慣の改善を通じて、健康づくりのサポートに情熱を注いでいます。
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