日本の老舗企業の現状

老舗企業の上場率はわずか1.7%?
創業100年以上の企業が非上場を選ぶ理由とは
日本には、創業100年以上の歴史を持つ「老舗企業」が数多く存在します。しかし、その多くが株式を上場していないという事実をご存知でしょうか。この記事では、老舗企業の上場率と、非上場を選択する背景について解説します。
老舗企業の上場率はわずか1.7%?
帝国データバンクの調査によると、2024年時点で創業100年以上の老舗企業は全国に約4万5,000社存在しています。しかし、東京商工リサーチの2017年の分析では、これら老舗企業のうち上場している企業はわずか564社、全体の約1.7%に過ぎません。つまり、約98%以上の老舗企業が非上場であることが明らかになっています。
老舗企業が非上場を選ぶ主な理由
1. 経営の自由度と安定性の確保
非上場企業は、株主からの影響を受けにくく、経営の自由度が高いとされています。上場企業では、株主の意向に応じた経営判断が求められることが多く、短期的な利益追求が優先されがちです。一方、非上場企業は長期的な視点での経営が可能であり、安定した事業運営が期待できます。(ランスタッド)
2. 上場に伴うコストと負担
上場には、上場審査や情報開示、監査対応など、多くの手続きとコストが伴います。特に中小規模の老舗企業にとっては、これらの負担が大きく、上場のメリットよりもデメリットが上回ると判断されることがあります。
3. 同族経営の維持
多くの老舗企業は、創業家による同族経営を続けています。上場により株式が分散すると、経営権の維持が難しくなる可能性があります。そのため、経営の安定性を重視し、非上場を選択するケースが多いと考えられます。
非上場の老舗企業の例
以下は、長い歴史を持ちながらも非上場を貫いている代表的な老舗企業です。
- 月桂冠(1637年創業)
京都の老舗酒造メーカーで、創業家による経営を継続しています。非上場を維持し、伝統を守りながら事業を展開しています。 - 竹中工務店(1610年創業)
日本を代表する建設会社の一つで、創業家による同族経営を続けています。上場せずに独自の経営方針を貫いています。 - サントリー(1899年創業)
飲料業界の大手企業でありながら、非上場を選択しています。創業家の意向を重視し、長期的な視点での経営を行っています。
まとめ
創業100年以上の老舗企業の多くが非上場を選択している背景には、経営の自由度や安定性、上場に伴うコスト、同族経営の維持など、さまざまな要因が存在します。上場が企業にとって必ずしも最適な選択肢ではないことが、老舗企業の事例からも伺えます。
参考資料
- 帝国データバンク「全国『老舗企業』分析調査(2024年)」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000958.000043465.html - 東京商工リサーチ「全国『老舗企業』調査」(2016年12月)
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1188679_1527.html - 日本M\&Aセンター「上場・非上場企業の違いとは?非上場化が増える理由」
https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2024/x20240423/ - Meets Company「意外と知らない!実は上場していない有名企業32社」
https://www.meetscompany.jp/blog/3518/
この記事が、老舗企業の上場状況や非上場を選択する理由についての理解を深める一助となれば幸いです。

