宮島訪問税とは?税収・予算・使い道について

本記事では宮島訪問税についてまとめてみます。
宮島訪問税の概要
2023年10月1日より、広島県廿日市市では「宮島訪問税」が導入されました。これは、世界遺産・厳島神社を擁する観光地・宮島への訪問者増加によるインフラや環境負担に対応するため、新たに設けられた税制度とされているようです。
- 税額: 1人あたり100円(1回の訪問につき)
- 徴収方法: 宮島口からフェリー乗船時、運賃に自動加算
- 免除対象: 宮島在住者、通勤・通学者、福祉目的の来島者など[1]
宮島訪問税の税収と予算への影響
▼ 初年度(2023年度)の収益
訪問税導入初年度である2023年度(令和5年度)は、10月からの半年間の見込みで約1億400万円の税収が見込まれました[2]。
▼ 2024年度(令和6年度)の収益見込み
宮島の来島者数が年間約350万人前後とされており、2024年度の訪問税収は約3億5,000万円が予算計上されています[3]。
▼ 廿日市市の予算に対する割合
2024年度の廿日市市の一般会計当初予算は約582億円であり、訪問税の税収はこのうち約0.6%にあたるとされています[3]。規模としては小さいものの、観光地特有の課題に的を絞った重要な財源となっているようです。
宮島訪問税の使い道とは?(活用事業の具体例)
▼ 1. 環境整備(トイレ・道路など)
- 公衆トイレの整備・維持
- 登山道・展望台の保全
- 観光案内所や無料Wi-Fiスポット整備
- 宮島口地区の無電柱化や再整備
- 道路渋滞緩和策の実施[2]
▼ 2. 文化的多様性や相互理解の促進
- デジタル技術による歴史文化の案内
- 歴史民俗資料館や大杓子の維持
- 宮島ブランドを伝える映像制作など[2]
▼ 3. 自然環境への配慮と持続可能な観光推進
- エコツーリズムやマイボトル利用の推進
- 美化活動・ゴミ処理の強化
- 海岸整備や公共空間の維持[2]
▼ 4. 観光マネジメントの強化
- 駐車場混雑の可視化システム導入
- 地域の観光団体への支援や啓発[2]
地域住民への影響は?
これまで、こうした整備や維持は主に地域住民の税金でまかなわれていた部分もありました。訪問税の導入によって、来訪者にもその一部を担ってもらう仕組みとなり、住民の負担軽減につながると期待されています[2]。
まとめ
宮島訪問税は、観光による利益だけでなく課題にも対処するための新しい制度とされているようです。税収は比較的限られた額ではあるものの、観光地特有の問題解決に使途を限定することで、地域と観光客の共存を実現しようとするものです。
宮島を訪れる際は、この制度の背景を少しだけでも意識してみるのも良いかもしれません。
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参考・引用文献
[1] 廿日市市公式「宮島訪問税について」
https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/110/59551.html
[2] 廿日市市「宮島訪問税の活用事業概要(PDF)」
https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/uploaded/attachment/63898.pdf
[3] 朝日新聞デジタル「宮島訪問税、3億5千万円の収益見込み」
https://www.asahi.com/articles/ASSDH2GJ9SDHPITB00TM.html