硬いのか、柔らかいのか。機能的か、機能的ではないか。

PRIコンセプトを基に、臨床をしていると感じることがあります。
その人の柔軟性についてです。

最近、筋肉の機能をハンモックに例えるようにしています。

各筋肉には、適切な張力が必要です。
硬すぎても、張力が低下します。

最大筋力を発揮するために一番適した長さとは:“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学:日経Gooday(グッデイ) (nikkei.co.jp)より画像引用
筋張力の基本
- 静的張力: 筋肉が収縮せずに力を発揮する状態。例えば、重い物を持って静止しているとき、筋肉は動かないけれども張力を持っています。
- 動的張力: 筋肉が収縮している状態。例えば、重い物を持ち上げる際に筋肉が短縮するとき、張力が発生しています。
張力の重要性
- 運動の制御: 張力は筋肉が正しく機能し、効率的な動作を可能にするために重要です。
- 姿勢の維持: 骨格筋の張力は、姿勢を維持するのに役立ちます。
- 反応の調整: 筋肉の張力は、身体的活動における反応や調整能力に寄与します。
重要な部位の一つに、ハムストリングスの静的張力があります。
ハムストリングスの作用の一つに、歩行周期の遊脚終期において脛骨前方制動に働きます。
遠心性収縮から等張性収縮によるブレーキ機能が大切です。
筋肉の張力を整えるためにも、運動療法による適切な筋緊張の獲得が大切です。
ハンモックでも、ねじが緩むことで張力が低下することもあります。ハムストリングスで例えると、骨盤底筋群や殿筋群などのネジが緩むことで機能低下を起こすことがあります。
ストレッチの記事にもありますが、緩めることがすべて良いことではないと私も思います。
(アスリートにおいては、過剰に活性化している筋群は抑制する必要があります)
しかし、アスリートや人によっては柔軟性が必要なケースもあるかと思います。
また適切な筋張力があっても、機能的に使えないと怪我のリスクにもつながります。
PRIのコンセプトには、筋の過剰使用部分があるか評価します。
そして、過剰に使用されている箇所があるということは、どこかに抑制されている箇所がある場合が多いです。
抑制されている部分の活性化を狙うエクササイズをおこないます。
そして、”PRIエクササイズは足し算”と大下太一氏が言ってましたが、正し筋群を使い合わせて使用できるか(=機能的か)を評価します。
エクササイズが評価になることも、しばしばあります。
硬いか、柔らかいかという問い対して、機能的か、機能的ではないかという視点も大切です。
そこには、生活習慣やストレス習慣も大いに体に影響を与えます。トレーナーは、その人の体だけをみるのではなく、その奥にある生活からくる体の影響も考慮する必要があると思っています。