中国古典〜1日1言〜:2/6

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面従して退いて後言あることなかれ
-無面従退有後言-
「書経」
面従して退いて後言あることなかれ
面従後言:面と向かっては、はい、はいと相手の意見に従っておきながら、かげに回って不平不満を並べたり、非難したりすること。
これのマイナスは二つある。一つは、こちらの人格の低劣さを疑われてもやむをえないということだ。もう一つは、「後言」は、必ず相手の耳に入る。
後言:当人のいないところで、その人のうわさをしたり悪口をいったりすること。 かげぐち。
かげぐち
少年期において、かげぐちを言ったことは誰しもあるはずです。しかし、これの良いところは何一つありません。デメリットしかありません。
かげぐちを言う人間が多いチームや職場には、良い雰囲気は流れていません。一人一人の人格がチームに影響を与えます。なので、社会で生きていく上で人格は大切になってきます。
1人で生きていくにも、会社に勤めるにも、仲間が必要です。その仲間には多種多様な性格の持ち主がいます。そこで大切になってくるのがコミュニケーション能力です。相性が合わない人とも出会います。しかし、自分の思いを相手に伝えて協力することは大切です。
かげぐちを言うと、必ず相手の耳に入るとされています。そうすると相手もいい感情をもつはずがありません。
私もこれは体験しています。部下が上司のことをどう思っているかというのは、耳に入ってくるものです。
チームで良い結果を出すためには、素晴らしい雰囲気が大切です。言いたいことがあるなら、面と向かって言うべきです。大人になってかげぐちを言うような人間には、成長と成功は訪れないと思います。(伝え方には注意が必要です)
誰に指導される?
かげぐちをいう事のデメリットを、誰から教わるか?
一番は家族だと思います。二番に指導者や周りの大人です。
家族や指導者が、かげぐちをいうような人間だと、子供は将来コミュニケーションに問題を抱える可能性が高くなります。
面と向かって言いたいことを伝える。かげぐちを言わない。
「綸言、汗の如し」ということばがある。汗のように、一度口から言葉がでると、もう元には戻ってこない。トップの言葉は慎重に選ばないといけない。
これはトップに限ったことではないと思います。言霊文化である日本。言葉に思いを込めて、相手とコミュニケーションを図ることが大切です。
ぶつかることを恐れている
面と向かって言えないことで、お互いがストレスを抱えてしまい、軋轢を生むこともしばしばあります。
少年期のケンカ経験はこういったところで役に立ちます。
相手とぶつかることで、さらに関係性が深まることもあります。
ケンカをする事は悪いことではありませんが、必ず仲直りをする必要があります。
この「相手とぶつかる」→「仲直りする」→「関係性が深まる」というプロセスは、後言を言わない人間になるためにも必要な人生経験だと思います。
そして、大人になっても目の前の相手としっかりと向き合っていくことが、良好な人間関係を作るために必要な行為だと思います。

本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。