中国古典〜1日1言〜:2/5
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天を怨みず、人を尤めず
-不怨天、不尤人-
「論語」
天を怨みず、人を尤めず
「天を怨みず、人を尤めず、下学して上達す。われを知る者はそれ天か」(孔子)
苦しいときや辛いときには、ややもすると自分の責任はタナに上げて、天を怨み、人をとがめたくなるのが人情の常である。
だがそれをやっていたのでは、いつまでたっても進歩がないし、心の平安も得られない。
人をとがめる
とがめる:過失や悪い点などを責め非難する。
だれしもが苛立ちや怒りを覚えた事はあると思います。少年サッカーの現場において、子供たち同士のケンカや不仲の場面にも遭遇します。些細なことでもケンカや不仲の火種になります。
私は、少年期には偶発的に生じた”人をとがめる“という経験も有益だと考えています。なぜかというと、少年期には失敗体験や反省体験をすることも大切だからです。
少年サッカーの現場では、ときおり親が失敗を未然に防ごうと過保護になる場面がみられます。それは、必然的に生じる失敗体験を回避してしまいます。
大人になってから、他者を蔑む発言をする人格になってはいけません。そのためにも、失敗体験ができる少年期に偶発的に生じてしまった、人をとがめるような場面では、しっかり反省をさせるような教育が必要です。
家族のフォロー
こういった“天を怨み、人を尤める”といった行為をしてしまう場合には、家族の愛が足りない可能性があります。不可解なことが起こっても、その事象を意味のあるものにするには教育者だけの力では不十分です。
やはり、少年期に大切なのは家族からの愛をしっかり受けることです。
少年期には家族のフォローが重要です。思春期では人格形成において学校やスポーツ場面においてはコミュニケーションストレスを抱える場となります。
そういった時期に、家族のフォローを受けることで「安心・安全な環境が自分にはある」ということを認識させてあげないといけません。
家族と触れ合うことで、オキシトシンといった分泌も期待され、ストレス軽減にもつながります。
自暴自棄になるような人は、家族のフォローが軽薄な場合があります。
“天を怨み、人を尤める”ことをしないためにも、家族のフォローはとても大切です。
相談する
親や指導者など、まわりの先輩に相談をする姿勢は大切です。成長するためには必要なことです。
少年サッカーにおいて、相談をしてくる選手は非常に少ないです。また、親に「コーチに聞いてこい」という理由で相談にくる選手には自主性はありません。(よって相談する行為は長続きしません)子供は親のおもちゃではありません。
サッカーに限らず、スポーツにおいては言語技術を育むことができる所以がここにあります。
世の中上手くいかないことの方が多いです。そういうときにどのように改善を図るか?自主練をする、分析する、相談する、もう一度tryする…こういった行為を積み重ねることが成長につながります。
サッカーは子供と大人にし、大人を紳士にする
デットマール・クラマー(元日本代表コーチ)
サッカー界では有名な言葉です。
サッカーというスポーツの良い面を表している言葉だと思います。
恨み辛みを与えない人生を送るために、周りのフォローと相談する相手に恵まれることは大切です。
誰しもが恵まれる人物に出会っていると思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。