中国古典〜1日1言〜:1/20

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智者の慮は必ず利害に雑う
-智者之慮必雑利害-
「孫子」
智者の慮は必ず利害に雑う
智者:判断を誤らない人
慮:思いめぐらせる
智者が判断を誤らないのは、利と害の両面からものごとを考えるからだという。
孫子はこうも語っている
「利益を追求するときには損失の面も考慮に入れる。そうすれば、ものごとは順調に進展する。逆に、損失をこうむったときには、それによって受ける利益の面も考慮に入れる。そうすれば、無用な心配をしないですむ」
こういう生活態度を身につければ、つまらぬ失敗を少なくすることができよう。
智者になるために
智者になるためには、誤った判断を経験することが大切だと私は考えています。
でないと、正しい判断基準がわからないからです。
誤った判断は子供の時にたくさんできます。
大人や家族が守ってくれるから、安心・安全の環境が提供されているから思いきって行動ができます。
失敗体験や劣位体験をすることは、社会生活において役に立ちます。そういった境遇に遭遇しても、免疫がついているからです。
スポーツにはこのような疑似経験ができるメリットがある。
トップアスリートは、少年期にいろいろなスポーツにとりくんでいた人が多いです。
https://taniblog-8-hfs.com/タイガー・ウッズとロジャー・フェデラーの違い
多様性を育むためには、少年期にはいろいろなスポーツ体験は推奨されています。
失敗を許容しない指導者にだけはなりたくない。
どのような失敗が良いか
一生懸命に取り組んで、失敗したのならば、それは失敗ではありません。
失敗とは転ぶことではなく、起き上がらないことである。
メアリー・ピッグフォード(アメリカの女優)
その起き上がるように誘導するのが、指導者の役目である。
一所懸命に物事に取り組まない選手に、成長はない。
自分が努力したと胸を張っていえるぐらいの努力量は必要だ。
少年時代の交友関係
小学生において、交友関係でも利害関係を学んでいる。
「こいつと仲良くした方が、クラスで過ごしやすくなる」
そういう風に考えて交友を広める・深める姿勢は存在するだろう。
これも利害関係を考えている。
もちろん、本能的に「こいつと仲良くなりたい」という思いで仲良くなっていく友人もいるだろうが。
こういったところからも智者の慮を学んでいるのだろうか。
さまざまな友達をつくることで、智者の慮を学ぶ事ができるのだろう。
智者のチームになるために
少年サッカーにおいて、智者になるためには一人一人が大胆な姿勢を身につけないといけない。
胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲すでもあるように。
この句にあるような姿勢で、物事に取り組んでいくと「智者」に近づけると私は考えている。
リスク管理を行いながら、大胆に仕掛けていく。チーム全体でこのような姿勢で臨めると智者のチームとなる。
利:点を取るために
害:失点をしてしまう
利と害のために、思考を巡らせ、良い判断ができることが大切である。
それの積み重ねが智者のチームになるための一歩と考えている。
しかし、1試合のなかで判断を誤らないことは、プロでも不可能だ。
子供たちならなおさら。
適切な判断ができるように教育するのが、指導者の役目だ。

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