中国古典〜1日1言〜:1/14
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功の崇きはこれ志、業の広きはこれ勤
-功崇惟志、業広惟勤-
「書経」
功の崇きはこれ志、業の広きはこれ勤
志:目標
勤:持続的な努力
立派な仕事、大きな事業を成功させるためには、「志」と「勤」の二つの条件が必要。
人生設計についても同じで、できたら生涯を通じての目標を持ちたいところだ。
目標をもつことの大切さ
目標を持ち、目標に向かって練習し、日々を過ごすことは大切です。少年サッカーの指導を通して大切だと感じていることです。
少年サッカーでも何も先のことは考えずただ楽しくサッカーをするというのは、小学校3年生〜4年生前半までだと考えています。
そこからは、目標を持ち日々の練習に取り組むことが大切です。
その目標設定をサポートするのは、大人の役割だと考えています。
手の届くか届かないラインの目標を設定し、その目標達成を繰り返すことが成長を促せることができます。
大きな目標を設定することで、それに見合った努力をしようとします。結果が伴わなければ、それに見合う努力が足りないという見方もできます。その検証を繰り返していく作業が成長を促してくれます。成長をする選手としない選手は、“考える”という作業に差があると感じています。
私の失敗体験
はっきりした目標を設定せずに日々の練習に取り組むと、方向性を見失ってしまいます。
私が2016〜2019年の間、担当していた学年は「強いチームになる」という目標を設定していました。しかし、これは明確な目標設定ではありませんでした。
私はこのとき、強いチームになるためには、強い人間の集団でなければならない。強い人間とは「サッカーがうまいだけではなく、挨拶・準備・礼儀がしっかりできること」を大切にする指導をしていました。
しかし、これは明確な目標ではなかった。選手側の目線に立つと、やはり試合に勝ちたい。”県大会優勝”などの明確な目標(誰でも結果でわかるような)を設定し、そのなかで挨拶や礼儀などが身に付くことが良かったのだとあの当時の選手たちから学ばせてもらえました。
目的設定と目標設定の使い分け
ここでは志=目標となっているが、「愚公、山を移す」の古典にあるように長期的視野が大切であると考えています。
よって、目標は、目的のための目標を設定することが大切です。
私でいうと、過去に「強いチームになる」ということは、「強い人間の集団でなければならない」という抽象的な目標を掲げていました。しかし、それは目的であって目標ではありませんでした。
目的:強い人間になり、社会を生き抜くための力を養う。そして将来は現在自分を支えてくれている家族を支えられる存在になる。
目標:県大会優勝
というように、目標を目指す過程で目的となる事柄が達成できるようになることが良い形だと私は考えています。
日々の練習では、明確な目標を設定してそれに見合う努力量を選手たちに求めるようにしています。
その”目標達成するために必要な努力量”を設定するのが指導者の力量です。
それは経験則と勉強で培われると思っています。指導させてもらった選手ひとりひとりがどのような人間へと成長したか、長く指導者をすることで経験が培われます。
選手たちの成長を促すために、目的を達成するための高い志をもち、私自身も継続的に努力を積み重ねていきたいと思います。