中国古典〜1日1言〜:1/26
谷本一真
taniblog
好死は悪活に如かず
-好死不市悪活-
「通俗編」
好死:立派な死に方
悪活:見苦しい生き方
とにかく生き抜くほうが、「好死」に優っているのだという。
一般的に言って、われわれ日本人は壁にぶつかったりすると、本能的に死をえらぼうとする。
せっかく与えられた人生だ。とにかく生きてさえいれば、いずれは花の咲く季節もこようというものだ。
日本人のこの思想には、武士道がかかわっていると感じる。「死に際に花を咲かせる」という言葉があるが、死んで人のためになるという思想が過去にあった。日本のアニメでもそのような思想が目につく。
しかし、この言葉は生き抜くことの大切さを謳っている。
R3の日本における自殺者数は約2万人と公表されている。
警察庁HPより
平成10年ごろを境に、徐々に自殺者数は減少しているという報告もあるが、行方不明者は増加傾向にある。
厚生労働省 自殺の現状
内閣官房孤独・孤立対策担当室用資料
行方不明者の推移
行方不明者はH30年で約8万7千人にものぼる。
自殺者数と行方不明者数の両方をみることが、大切である。
そうしてみると、自殺者数の数は減っていても、行方不明者の数が増えているのでH20年ごろからのデータで比較するとそう変わりはないのだろう。
フレイル(虚弱)という言葉が、医療業界や介護業界で注目を浴びている昨今。
このフレイルの中には”社会的フレイル“ということばがある。人との繋がりに弱くなった人たちだ。
この社会的フレイルが生じていることも、自殺要因のひとつであろう。