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中西メソッド×ミュージシャン:”知覚力”と”体を最適化”の重要性

谷本一真
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中西哲生さんが、中西メソッドを作るうえで多大な影響を受けたという方が、古谷晋一さんとの事でした。

その古屋晋一さんとの対談が、公開されています。

今回は、この講演を私なりにまとめてみました。

古谷晋一さん:演奏家学者/sony CSL(コンピューターサイエンス研究所)リサーチャー

私が感じた感想

パフォーマンスを高めるために、知覚を鍛えて動作に反映させる」という事が主にディスカッションされていると私は捉えました。

知覚とは…

動物が外界からの刺激感覚として自覚し、刺激の種類を意味づけすることである。 

視覚聴覚嗅覚味覚体性感覚平衡感覚など、それぞれの感覚情報をもとに、「熱い」「重い」「固い」などという自覚的な体験として再構成する処理であると言える。

「知覚」Wikipediaより

特に、私が講演を通して印象に残ったのは、「脱力」と「視覚」という言葉でした。

「余計な力を加えない」

余計な感情が入ってしまうと、最適なパフォーマンスを発揮しずらい体になってしまう。

「視覚情報をどのように認知するか」

全体が見えていると、目的地までスムーズに移動できる。しかし、部分しかみえていないと、目的地までの移動に無駄な行動が多く生じてしまう。

例えば、目の前に水たまりがある場合、左右に避けるか跨ぐかジャンプするか、違う道を選ぶか…自分の状況と水たまりの状況(大きさ)や周りの状況(左右に避けれるスペースがあるか)を知覚し最適な行動をとる必要があります。

ここから、私なりの要点を整理していきます。

体を最適化する

体を様々な状況に応じて、最適な状態にする事がパフォーマンスを高める方法の一つであると考えます。

ピアニストの手を氷水につけた後に、ピアノを弾く実験が行われたそうです。

結果:ピアノが上手い人ほど、上手く弾けた。

上手いピアニストは、「弾き方を変えた」というように体を”最適化”していました。

環境に適応するという事が、とてもわかりやすい事例でした。

また、

ブラジル人は、砂浜や雨の日でも外でサッカーをする。サッカーボールも種類が様々。ボールタッチの変化や、環境の違いを楽しみながらサッカーをして遊んでいる。

中西哲生オンラインサロンより

こういった事が、多様性のある動きや様々なテンポでのプレーを可能にさせていると思います。

スポーツは、外界からの刺激に応じて体を最適化する必要があると思います。

一つの決まった型をもつのではなく、少しずつ体を適応(変化)させる能力が高い選手が、優れた選手であると考えます。

  1. 環境を利用して更に良いパフォーマンスを発揮するか
  2. 環境に適応し、最大限のパフォーマンスを発揮するか
  3. ①②で困難な場合は、諦める。そして余計な緊張を生まないようにできる限りのパフォーマンスを発揮する。

返ってきたエネルギーは姿勢で受け止める

球技などにおいて、どうしてもインパクトの瞬間などは作用点に意識が向きやすいと思います。

ピアニストの鍵盤を叩く時は、少し違うようです。

上手いピアニストは、鍵盤を叩く時には肘の筋肉を曲げた後は、腕の筋肉を弛緩させて叩いているとの事(自由落下)。

鍵盤からの反発する力を姿勢で受け止めて流すというイメージで私は捉えました。

上手いピアニストほど、「上手な脱力」が行え「体を最適化」できていると考えます。

サッカーにおいても、余計な緊張が生じるとシュートやドリブルなどが上手く行かないものです。

一連の動作をチャンク(塊)として捉え、readyからendまでの動作をフェーズごとに良い姿勢で行う。そして生じたエネルギーを姿勢で受け止めながら遂行する事が大切であると考えます。

省エネで同じレベルの動作を行える方が、良いパフォーマンスが生じやすいともいわれていました。

そこで、余計な感情を生じさせないメンタルが重要という事です。焦りや力みがミスを生じやすくなります。

見る準備ができているか?

人間の体に入ってくる感覚の80%以上が視覚からの情報といわれています。

中西メソッドでも視覚の重要性が述べられています。

今回、新たな視点としては

見るための準備ができているか

これは凄く難しい事であり、私自身深く考えさせられる言葉でした。

「なぜ見る必要があるのか?」

そこを理解できていないと、見る習慣が作れないと思います。

見る重要性
  • 体を最適化するためには、見る事で周りの環境を認知しないといけない。(目が遅れると認知が遅れる→焦りにつながる)
  • 動作は眼球運動から行うとスムーズに行える

見るための準備
  • 見る重要性を理解
  • 状況を理解(環境や状況を整理し、余計な緊張を生まない)
  • 頭のポジションの最適化(目鼻耳口の重要性)

「見えている」か「見る事ができている」の違いは、

  • 「認知できていない」
  • 「認知できている」

「自分の状況・相手の状況・周りの状況を見る」

そして、体を最適な状態にできるか。

そのためには、様々な経験と知覚力が必要になると思います。

本当に、感覚トレーニングの重要性を最近感じています。

より良いパフォーマンスを発揮するために、「見る(認知する)」そして「体を最適化」した状態で動作を遂行する事が大切であると感じました。

ABOUT ME
谷本一真
谷本一真
理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、PRP-Japan
PRIコンセプトを基に、障害の予防とパフォーマンスの向上を目的としたコンディショニングをおこなっています。また、サッカー指導者としても活動しており、特に小学生に対する指導を行っています。 運動や習慣改善によって健康を支援することに情熱を注いでおり、各個人のニーズに合わせたプログラムを設計しています。興味がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。詳細は直接やりとりの中でお伝えいたします。
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