中国古典〜1日1言〜:3/9
谷本一真
taniblog
小恵を私して大体を傷るなかれ
-母私小恵而傷大体-
「菜根譚」
小恵を私して大体を傷るなかれ
「小さな私恩を売ることに汲々として全体の利益を犠牲にしてはならない」
大体:細かい点を除いた主要な部分。また、全体を大づかみにしたところ。
汲々:小事に心をとらわれて、あくせくするさま。
これはとくに組織のリーダーが自戒をしなければならないことである。
会社などでも、自分の勢力を扶植しようと、あの手この手で私恩を売っているリーダーを見かけるが、それもこのたぐいである。こんなリーダーが幅をきかすようになると、その組織は危ない。
「大体」を傷っては、リーダー失格である。
目先の欲求や快楽に目が眩んでしまうようでは、汲々としてしまう人間となってしまうだろうと思います。自分を自制できる自我が必要です。そういった人間教育が乏しくなっていると、少年サッカーの現場などを通して感じる部分があります。それは、指導者や親の教育がそうさせているのかもしれません。
教育をどのようなビジョンで考えているかというのが大切だと私は思います。ある指導者が言っていましたが、「陸上で中学校で全国一位になった子が、高校や社会人になると陽の目を見なくなる」と。それは、「中学完結型の指導をしている」ことが弊害ではないか。
やはり、人間にとって大切なことは“どのような大人になりどのような社会人となるか”というのが私は大切だと思います。
そういった意味でも、俯瞰して物事をみる癖をつけ、なおかつ本質を追求することから逆算した指導や教育というのが大切になってくると私は思います。
本書は人生を生きるうえで参考になることばがたくさんあります。ぜひ購入して普段の生活に役立てることをお勧めします。