中国古典〜1日1言〜:1/13
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愚公、山を移す
-愚公移山-
「列子」
愚公、山を移す
これは寓話である。
寓話:教訓または諷刺を含めたたとえ話。
昔、愚行という老人がいた。家の前に2つの山がそびえ立ち出入りに不便であった。ある時思い立って息子と孫の3人がかりで山を切り崩しにかかった。
この行いは子々孫々受け継いでも絶えることがない。一方山は今以上高くならない。平にできないことがあるものか。
この寓話が言わんとしているのは
①長期的視野
②ユックリズム
長期的な展望の上に立って、あせらず、あわてず、着実な前進を心がけることが、結局は成功の近道なのかもしれない。
目標を達成することの価値
どうしても、人間はすぐに結果を求めたくなる。しかし、この寓話が示している通り、大きなことを成し遂げるには時間が必要です。
そして、時間を積み重ねて達成した目標は、非常に嬉しいものです。
少年期の目標には、
個人では、
自転車が乗れるようになる
一輪車が乗れるようになる
リフティング10回できない子がリフティング100回
試験合格
など
チームでは
ライバルチームに勝利
県大会優勝
全国大会優勝
など
子ども時代には、「できないことができるようになる」という成功体験は、大人になってから非常に役立つと考えています。
そこで簡単に諦めてしまう子や努力をしない子がいます。
努力量は人によって違います。人間が違うから当たり前です。
うさぎと亀が、目的地まで移動するのにかかる時間が違うように。
しかし、かならず努力を続ければ目的地までは到達できます。
目的地まで到達するための努力をどれだけ継続して行えるかが大切です。
その目標達成を繰り返すことが、自分に自信をつけるための大切な手段です。
目的と目標の違い
長期的な視野をもたせることは、大人の役割だとも考えている。
人生長く生きているだけに、目標設定を長期的な目線をもっているからだ。
元サッカー日本代表の岩政大樹氏があるインターネット番組で素晴らしいことを言っていた。
子供に夢を聞くときに職業の話をするが、これが間違っている。
将来、どんな人間になりたいか、どのような生き方をしたいか。ここの本質が大切。
この言葉には衝撃をうけました。
私も、中学生の選手に「どこの高校にいく?」と聞いていた。これは子どもに長期的な視点をもたすことができな拙劣な質問です。
もっと子どもたちには、「将来どのような人間になりたいか」というヴィジョンをもって日々過ごすことが大切であることを伝えたい。
前ページで述べている目標は、目標であって目的ではありません。
目的のための目標を設定することが大切です。
私が関わっているFC宇和島も「全国大会出場」という目標を掲げている。しかし、その先が大切だと気付かされました。
「FC宇和島が全国大会出場することで、宇和島でサッカーをしている子どもたちやサッカー関係者に勇気と元気を与える」
という目的が大切です。
目的:宇和島市でサッカーをしている子供達や関係者に勇気と元気を与える。
目標:全国社会人クラブ選手権全国大会出場
私が指導している少年サッカーチームも
「大会で良い成績を残すことで、支えている家族に恩返しをする」という目的でサッカーをすることが大切です。
「将来はプロサッカー選手になる」は、手段であって目的ではない。
「好きなサッカーでプロになって、家族や周りの人たちを笑顔にする」
などという目的をしっかりもつことが大切です。
この寓話も、山を移すことで息子や孫たちの移動を楽にさせる。という目的があります。
サッカーの指導を通して、本当の目的を持つことの重要性を伝えることで教育に少しでも関われることに幸せを感じています。
私自身、子ども時代にこのような教育を受けたかったなと思うことを、今後も子どもたちに伝えていきたいと思います。